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変わり始めた大学・大学院入試のあり方は「学歴ロンダリング」に渦巻くドス黒い"偏見の壁"を打ち破るか

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東京大学
出身校という情報は長く人につきまとう(写真:yu_photo/PIXTA)

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著名人が大学院に入学・修了したと聞いても、今や誰も驚かない。国が「リカレント教育」を推進し、企業も社員の学び直しを後押しする。進学率が上昇したとしても、18歳人口の減り幅のほうが大きく、進学者数が減少し始める「2026年問題」に直面し、大学・大学院側も社会人の受け入れに活路を求める。
学び直しが当たり前になってきた今も、他人の挑戦を斜めに見る空気は消えない。「学歴ロンダリング」という言葉がその象徴だ。
学び直しを称える声と、それを箔付けと疑う目が、社会の中に並んで存在する。この言葉の裏には、日本社会の学歴観、序列意識、そして他人の成長を素直に喜べない人間心理が絡み合う。
現代の日本社会で「学歴ロンダリング」という言葉がここまで跋扈(ばっこ)する背景には、どのような事情があるのか。前編・中編・後編に分けて分析していきたい。
前編:"大人の学び直し"はなぜ冷笑されるのか? 「学歴ロンダリング」とさげすむ日本社会のドス黒い心理の正体
後編:「学歴ロンダリング」という侮蔑がもたらす日本社会の生産性低下、AI時代にこそ求められる「虚往実帰」の精神

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学歴変更を「違反」と見る人の心理

出身校という情報は、驚くほど長く人につきまとう。10年、20年経っても「あの人は○○大学出身だから」という文脈で語られることがある。その後どれだけ優れた実績を重ねても、最初に持たれた印象はなかなか消えない。

一度貼られたラベルは、努力を重ねても剥がれにくい。「しょせん、あの大学出身だから」という先入観で見られ続け、努力が見えなくなる。

人間は変わり続ける存在なのに、20歳前後の受験結果でその人の一生を縛り続けるのは、あまりに窮屈だ。今この瞬間の努力がそのレッテルに塗りつぶされる社会は、挑戦する気力を削ぎ、停滞を招くだけだ。

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【日本の文化的・歴史的な事情も無視できない】

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