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変わり始めた大学・大学院入試のあり方は「学歴ロンダリング」に渦巻くドス黒い"偏見の壁"を打ち破るか

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東京大学
出身校という情報は長く人につきまとう(写真:yu_photo/PIXTA)
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こうした入試や修了要件の違いは、修了後のキャリアにも少なからず影響する。大学教授の経歴を受験予備校的な見方をすると、「学歴ロンダリング」のように映る。学部は中堅私立大学でも、大学院で国立大学や海外の大学院に進んで博士を取り、自分の出身学部より評価の高い大学で研究・教育に携わる例は少なくないからだ。

このような経歴を「学歴ロンダリング」と表現するのは不適切だ。大学受験合格に求められる能力と、研究者にとって必要な資質はまったく異なるからである。

大学院の入試で問われるのは、既知の正解を導く学力ではなく、自ら問いを立てて論理を組み立てる研究能力にほかならない。この能力の有無を測る選考を経て専門的な実績を積み上げた事実こそが研究者の資質を証明するのであり、学部受験の難易度を引き合いに出すのは学問の本質を捉え損ねた見方といえる。

ここでは一般大学院入試の実態を述べたが、専門職大学院の場合も、学部入試の評価軸がまったく異なる。大学院入試は既存の知識の量ではなく、実務や研究における論理的思考力と課題解決能力を厳格に評価する選別手段である。

AI(人工知能)の普及で知識の量そのものの価値は、相対的に下がりつつある。今、必要とされるのは、「何を知っているか」よりも「情報をどう組み合わせ、どう使うか」という力だ。

今後求められるのは特定科目の知識量ではない

かつて数学を避けて入れる学部が多かった私立文系にも変化が見られる。

早稲田大学政治経済学部の一般選抜では、数学Ⅰ・同Aが必須科目になった。選択科目にも数学Ⅱ、同B、同Cがある。文系でも数で考える力が前提になってきた。文系・理系という区分け自体が、もはや時代に合わなくなってきた。

この流れは他大学にも広がり、データサイエンス系の学部・学科の設置が進む。ただ、大学で学んだ程度の数理処理技術がそのまま長期的な強みになるとは限らない。

計算や基礎的なデータ処理はすでにAIが代行している。今後その範囲はさらに広がるはずだ。技術を身につける必要性は当面続くにしても、その技術自体の寿命は短くなるだろう。今後求められるのは、特定科目の知識量ではなく、変化する環境の中で知識を使いこなし続ける力だ。

入試制度だけでなく、大学の価値も急変している。大学が大衆化を超えてユニバーサル化して久しい。実質的に面接と簡単な小論文だけで入れる大学も増え、進学先を選ばなければ誰でも大学に入学できる時代になった。

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【進む「大学院インフレ」】

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