そうなると、流動性の高い市場で取引される資産は、すべてこれにあたる。金融資産として扱われているものはすべてこれになる。上場株になっている限り、すべてそうであるから、そして、時価があるものというのは他人が買うことを想定して価値がついているわけであるから、これに入るのである。
ファンドで投資をする以上、長期に保有しようが、ハンズオンをしようが、結局、市場での評価に左右される。それを高めることが究極のゴールである。そうである限り、それは「本当の投資」ではないのだ。
さらに言えば、自らが上場してしまっては、自らの投資行動が、市場という他人によって評価される。自分の行動が、他人の評価に左右される、いわば他人に褒められるために、投資行動をとっている、いや、経営のすべてが他人からの評価のためである。
したがって、上場企業が主体の投資は、すべて「『本当の投資』ではない投資」なのである。(少し話がずれるが、だからこそ、本物のファンドは、上場などしない。上場している時点でファンドとしては「本当の投資」から遠い投資をするファンドなのである)
「自分だけですべて完結する投資」こそ「本当の投資」
一方、「本当の投資」とは、「自分だけですべて完結する投資」のことだ。他人からいかなる影響も受けない。自分で投資する意思決定をして、買う。売るために買うわけではないので、買う価格はライバルに取られないようにする価格となる。価値はいわば無限大、価格では測れないから、計算できない。入手を確実にする価格。その範囲ではできるだけ安く、ということだ。
マニアの投資はすべてこれだ。貴重な廃盤レコードで、コンディションも素晴らしい。こんなものは二度とお目にかかれないから、いくらであっても買う。そして、一生売らない。だから、マニア垂涎の名盤の良コンディションのものは、マニアが手に入れるたびにマーケットから消えていく。
だから、廃盤レコードは、状態の良いものの価格は永遠にゆるやかに上昇していくのである。暴落はありえない。一方、「ミーハーなレア盤」で、超高額なものは、さらに高くなることを見越して買われるから、暴騰もあれば暴落もある。売るために買うからである。これが世間一般でいう投資であり、「本当の投資」ではない。
「本当の投資」は、その投資対象に対して自分独自の評価があり、それは誰の評価にも左右されない。よく価値をわかっているから、将来気が変わって売ることもない。使うのは自分だけ。自分にとっての価値しか考えていないからである。
事業投資であれば、その事業は、永遠に続けるものであり、いったん自社に取り込んだら、永久にやめない。事業売却もない。その事業が世の中からまったく不必要になってしまうまで、つまり、それは自分にとっても不必要になってしまうまで続ける。だから、価値がゼロになるかもしれないが、そんなことは気にしないのである。
では、われわれ、個人が今行うべき「本当の投資」とはなにか。
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【「本当の投資」とは?】
