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金融分野ではない、今までとはまったく違う「本当の投資」をする時代がついにやってきた

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筆者は今までとまったく違う「本当の投資」をすべきときだという (写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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われわれの一般的な投資のイメージは、おそらく「株式を買うことにより、将来の値上がりによる売却益を狙うこと」ではないだろうか。これは、まず『広辞苑』にはどこにもない。『日本国語大辞典』にもない。

むしろ、株式の購入が出ているのに、わざわざ、インカムゲイン(定期的に得られる利息や配当など)の際に重要な利回りを考えて、という限定がついている。キャピタルゲイン(値上がり益)狙いの株の買いは含まれないのだ。

『大辞泉』になると、非常に広く定義しており、これには含まれる可能性が出てくるが、資金を投下するという語感からすると、株を買うというのは、この定義の中で、相当端っこのほうではないだろうか。

株式投資は投機のど真ん中?

では、われわれのイメージする株式投資は投機ということなのか、というと、投機の定義はさきほどの2つの辞書では、主に以下のとおりだ。

『広辞苑』:2 (speculation)損失の危険を冒しながら大きな利益を狙ってする行為。やま。3 市価の変動を予想して、その差益を得るために行う売買行為
『デジタル大辞泉』:2 将来の価格の変動を予想して、現在の価格との差額を利得する目的で行われる商品や有価証券などの売買

われわれの行っている株式投資とは、投機の定義のど真ん中だったのだ!

私は、このことは繰り返し、この連載だけでなくこの20年言い続けてきたが、広辞苑と大辞泉となれば、説得力が違う。ちょっと前までの日本語では、「君、株やるの?へえ~」のように、株式投資している?ではなく、株は「やる」ものだった。タバコ、酒、競馬、株と、どれも「やる」のである。

では、これは日本だけのことかというとそうでもなさそうで、英語でも同様だ。

『Oxford Advanced Learner's Dictionary』によれば、speculation(投機)とは、「the activity of buying and selling goods or shares in a company in the hope of making a profit, but with the risk of losing money」(=利益を得ることを期待して、商品や会社の株式を売買する活動。ただし、資金を失うリスクを伴うもの)なので、やはり、株式投資はほぼすべて投機である。

したがって、われわれのイメージする投資は死んでも、「本当の投資」をすればいいのである。投機の時代は終わったが、「本当の投資」の時代は終わっていないのである。

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【金融投資と事業投資の違いとは?】

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