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〈巨額損失計上〉第一三共、抗がん剤「エンハーツ」絶好調の裏でADC供給計画に"誤算"、問われるリスク管理と情報開示姿勢

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主力の抗がん剤「エンハーツ」は絶好調だが、新薬の開発は思ったように進んでいない(撮影:今井康一)

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医薬品大手の第一三共は5月11日、2026年3月期(25年度)決算を発表した。

売上高にあたる売上収益は前期比12.6%増の2兆1230億円と、初めて2兆円の大台に乗った。主力の抗がん剤「エンハーツ」の売り上げは同25.8%増の8195億円に達した。提携する英アストラゼネカから受け取る販売マイルストーンが860億円計上されたことも大きい。第2の抗がん剤「ダトロウェイ」も想定以上に伸びた。

売上高は絶好調といってもいいにもかかわらず、営業利益は前期比31%減の2290億円となった。重石となったのが、ADC(抗体薬物複合体)の製造を委託するCMO(医薬品製造受託機関)への損失補償を1695億円引き当てたことだ。

ADCとは、抗体と薬物を結合させたバイオ医薬品のこと。強力な抗がん剤を抗体に結合させ、ミサイルのようにがん細胞内まで届けることで、副作用を抑えて高い有効性を期待できる。第一三共はこのADCの開発で他社に先行しており、エンハーツ、ダトロウェイを含めた5つのADCの開発、拡販を経営の中核に据えている。

そのADCの製造工程は複雑で、自社で生産体制を構築するには時間がかかる。そこで同社は自社生産に加えて複数のCMOを活用している。対応できるCMOも限られているため、最低購入義務を設けた長期にわたる契約を結んでいる。

だが、ADCの供給計画に"見込み違い”が生じた結果、契約通りの委託生産量を維持できなくなったことで今回の巨額損失につながった。

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