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LAメトロで手渡されたヘイトメモの戦慄 日本と決定的に違う、今も続くアメリカ公共交通機関の緊張感

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LAメトロEラインの電車。時間にもよるが比較的安全な路線(筆者撮影)
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次に来る電車を待っていると、ひとりの男性がホームに入ってきた。この駅は道端からすぐに誰でも歩いてホームに簡単に入れる構造で、金属の改札のゲートはない。

ホームは広いのに、その男性は、なぜかずんずんと歩いてこちらに近づいてくる。思わず後ずさり、ホームの反対側まで行き、思い切って駅の外に出た。1度外に出てしまうと、ホームに戻るには、もう一度料金を乗車カードにチャージする必要がある。

券売機で乗車カードに課金しようとしたが、券売機が作動せず何度やっても課金できない。別のクレジットカードでやってもダメだった。2台の電車を見送ったところで、焦りつつ銀行のデビットカードを使うとやっと課金に成功し、急いでホームに入った。そして次に来た電車に乗った。

車内にはプロ・アメフトチームのLAラムズのジャージを着た男性たちが数人いて、楽しそうに会話していた。

ほっとした。その後、Kラインの終点からEラインへの乗り換えも無事に済み、目的地についた。その日の夜には、アジアン・ヘイト・メッセージの紙を渡された事件の経緯と時刻を詳細に書き、LAメトロの「トラブルや犯罪報告専門」の電子メールアドレスあてに送った。

車内では誰も助けてくれない

しかし、LAメトロからの返信は一切なかった。たとえ駅にメトロ・アンバサダー職員たちが複数いても、肝心の車内にはメトロ職員は乗っておらず、何が起こっても自分で何とか対処しなければならない。

何も起こらなければラッキーだが、ラッキーが毎回続くかどうかはわからない。そしてこのKラインは、休日には特に乗客の数が少なく、昼間でも車両はほぼ無人で、誰かに助けを求めることがほぼ不可能なこともわかった。

ちなみにLAメトロは、2025年の電車内での暴力事件の件数は前年に比べて7%減少したと発表している。だが重要な問題は「自分が乗る電車内で犯罪に遭わないかどうか」であり、その点は常に未知数だ。

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【今度はバス利用にチャレンジ】

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