反面教師として大人になってから変わる人もいるが、それはあくまで大人になってからの話だ。
二見氏が考えるゴミ屋敷への分かれ道は、「モノを踏む生活に慣れてしまうこと」だ。
ソファに服を1枚ポイと置くとき、最初は少し抵抗がある。しかし20枚重なった上に置くとき、もう何の違和感も覚えない。ソファが「座る場所」から、「服を置く場所」に変わってしまうからだ。
「ソファから服があふれてしまったとき、“さすがにマズい”と思って片付けるのか。それとも床に落ちた服を踏んで生活するのか。ここがゴミ屋敷になってしまうか否かの分かれ道だと思います」
大切なのは、モノを床に直接置かないこと。棚の上、机の上、椅子の上、ソファの上など、大体の人は「置く場所」をつくる。
その場所がつくれなかったり、モノが増えてスペースがなくなったりすると、床に置くしかなくなる。すると、床が「モノを置く場所」になってしまい、モノを踏むことに慣れていってしまう。
段ボールを「とりあえず入ってすぐの部屋に」は危険
片付けの見積もりの際、二見氏が依頼主によく話すことがある。
「引っ越しには運搬費用だけではなく、生活用品をそろえるお金も必要になります」
引っ越し代は荷物の量に比例する。荷物が多ければ多いほど、トラックは大きくなり、作業員も増える。使えるお金が限られているなら、荷物を減らして引っ越し代を抑えるしかない。
費用の問題だけではない。生活用品をそのまま持ち込めば、前の家と同じ状態が新居でも再現されるだけだ。引っ越しは、モノをリセットする数少ない機会でもある。その機会を活かして、本当に必要なものだけを持ち込み、新居では必要なモノを改めてそろえる。それが二見氏の勧める方法だ。
次ページが続きます:
【片付けが苦手な人は、新居のレイアウトをイメージできない】
