問いを持っているだけで、脳は無意識のうちに考え続けます。ある日突然、別の場面でヒントにつながることもあります。この習慣こそが、問題解決力を静かに鍛えていくのです。
デザイン思考は会議室の中だけで行うものではなく、日常の違和感に問いを差し込むところから始まります。イラッとした出来事は、そのための最高の教材なのです。
イラッとした瞬間から生まれたアイデアを、いきなりビジネスとして完成させようとする必要はありません。
最初から料金設計まで考えようとすると、途端に思考が進まなくなり、行動が止まってしまうことがあります。まずは、自分ができることで、誰かの困りごとを解消してみるところから始めれば十分です。
最初は無料でもかまいません。「ありがとう」という手応えが積み重なると、やがて時間や労力が大きくなり、仕事として設計したくなる瞬間がやって来ます。気づけば、時間や労力が大きくなり、このままでは続けられないと感じる瞬間がやって来るでしょう。
そのとき初めて、メニューをつくり、対価をいただくという選択をすればいいのです。
最初に助けた人から必ずお金をもらわなければいけないわけではなく、同じ困りごとを持つ別の人に対して、仕組みとして提供すれば仕事として成立します。つまり、価値提供が先にあり、価格はその後で自然に決まるという形でも全く問題ありません。
日常のイラッとした瞬間は、放っておけば、ただの不満で終わります。けれど、問いを差し込み、メモに残し、小さく試してみることで、不快は価値へと姿を変えます。明日、その中の1つを実際に変えてみてください。小さくてもいい。変えた瞬間、あなたは消費者ではなく、設計者になります。
まずは「疑問を持つ訓練」をすることが大切
「イラッとした」で終わらせないために、必要なのが"疑問"です。
なぜ、イラッとしたのか。なぜ、うまくいかなかったのか。なぜ、それを当たり前だと思っているのか。こうした疑問を持たないまま生きていると、いつしかその疑問は頭から消え去ってしまい、しまいには疑問を持ったということも忘れてしまうでしょう。
ふとしたときに、ほんのささいな違和感に気づいても、すぐに忘れてしまい、それは記憶の彼方に消えてしまう。でも、よく考えてみてください。そうした違和感や疑問から、これまでに「ない」仕事の種が生まれるかもしれないのです。
違和感や疑問を忘れていては、成長は起こりませんし、変化も生まれません。また、疑問を持たないと、「他人が決めたこと・信じていること」を鵜呑みにするようになります。疑問を持つことが、誰かが決めた当たり前をそのまま受け入れない姿勢をもたらしてくれます。
