人間の快・不快は、感情の反応ですが、その反応は、あなたの価値観や視点を映し出しています。だからこそ、ぼくは日常の中で感じた小さな違和感を大切にしています。日常を生きているとき、できるだけ不快を避けようとするのではなく、むしろそれをメモに残そうと心がけているのです。
どんな場面でどんな感情が動いたのかを書き残す。その積み重ねが、問題解決力を鍛えます。イラッとすることは、宝の山への入り口なのです。ただし、不快に向き合うのはエネルギーがいります。見ない方が楽なことも多いでしょう。
具体例を挙げると、お店のレジで長く並ばされると、モヤモヤしますよね。しかし、どうしてこんなに並ぶのだろう? と考えた瞬間、それは単なる不満ではなく改善に向けての問いになります。
並び方そのものに違和感を覚えることもあるでしょう。列のつくり方がおかしくて、もっと効率のよい並び方があるのではないかと感じる瞬間です。
店内の動線が明らかに非効率で、「なぜ、この動線なのだろう?」と首をかしげることもあります。もしあなたが店長なら、どう設計を変えるでしょうか? 「一列方式にする」「セルフレジを導入する」「ピークタイムを分析する」。こうした視点が芽生えた瞬間、あなたは"消費者"ではなく"設計者"になっています。
また、会議が必要以上に長いと感じる場面でも、イラッとくる人は多いでしょう。「なぜ、こんなに時間がかかるのだろう?」と思った経験はないでしょうか?
ここに共通しているのは、単なる怒りではなく、「もっとよくならないのか?」という疑問です。イラッとした瞬間の正体は、世界を「もっとよくできるはずだ」と感じている証拠です。不快は、価値創造の入り口なのです。
違和感をメモできる人だけが「設計者」になる
イラッとした瞬間から価値を生むのに、特別な才能や高度な分析は必要ありません。まずは、その出来事をなかったことにしないこと。今日、イラッとした瞬間を3つだけ、書き出してみてください。そして、それぞれに、こう問いを添えます。
「どうすればよくなるだろう?」
問いを複雑に変える必要はありませんし、言い換えを探す必要もありません。不快と感じたら、その出来事に対して、この問いをそっと投げかけてみます。
その場で答えが浮かべば書き留めればいいですし、浮かばなければいったん保留しておいてもかまいません。重要なのは、イラッとした感情から逃げず、問いに接続しておくこと。
