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モームリ代表が逮捕された「退職代行」 乱立に押し寄せる倒産の波、法の隙間で漂流する業界の末路

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(写真:buriota/PIXTA)
  • 本間 浩介 東京商工リサーチアナリスト
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東京弁護士会は24年11月、「退職代行サービスと弁護士法違反」と題する注意喚起をホームページ上に掲げ、「退職代行サービスの利用を考える際には、退職だけでなく、退職に関係して発生する法律的な問題にも目を向ける必要があります」と注意を呼び掛けた。

実際、先のアンケート調査でも、退職代行から連絡を受けた企業の3割(30.4%)で、残業代請求や退職日に関する調整などの「非弁行為」に触れる可能性のある通知を受けた実態が明らかになっている。

退職代行サービスは、こうしたグレーからブラックの狭間、法的な線引きが曖昧な領域で事業を広げてきた側面がある。代行サービス業者の多くが「弁護士監修」を前面に出しているのも、法的リスクへの対応やコンプライアンス遵守を意識していることの表れとみられる。

こうしたなか、業界最大手の「モームリ」の代表らの逮捕で、業界全体のコンプライアンス意識の希薄さが白日の下に晒された。

法令を遵守すると、法律事務となる残業代や有休消化の交渉などは行えない。退職代行サービス業者は、あくまで企業に退職の意思を伝える役割にとどまる。

悪意はなくても非弁行為になることも

悪意はなくても、代行サービスが企業に退職の意思を伝える中で、非弁行為に及ぶ言動が不注意にも出ることがあれば、それは非弁行為となる。安易に代行サービス業者を選択すると、利用者がトラブルに巻き込まれ、結局は弁護士に頼らざるをえなくなることもある。

また、企業はそもそも退職代行の利用者に厳しい目を注いでいる。アンケートでは、前職で退職代行の利用がわかった場合、「採用しない」と回答した企業は26.0%、「採用に慎重になる」は49.3%と合計で7割超の企業がネガティブに捉えている。

出所:東京商工リサーチ調べ

実際は、退職代行の利用が明るみになることは少ない。だが、面接での受け答えやリファレンスチェック(職歴調査)で利用歴がわかることもあり、“絶対にバレない”とは断言できない。

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【倒産も発生、業界に淘汰の波か】

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