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モームリ代表が逮捕された「退職代行」 乱立に押し寄せる倒産の波、法の隙間で漂流する業界の末路

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(写真:buriota/PIXTA)
  • 本間 浩介 東京商工リサーチアナリスト
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アルバトロスは22年2月創業で、23年1月期の売上高は1000万円にとどまったが、わずか3年後の25年1月期の売上高は3億3000万円に急成長した。

「モームリ」の名前には、ブラック企業の被害救済の意味が込められ、巧みなメディア戦術だけでなく、新宿や渋谷など若者が集まる街にアドトラックで繰り出した広告で知名度を高め、業界の代名詞ともなった。

年度初めの4月から5月は、入社や人事異動、大型連休を経て疲れや緊張の糸が切れ、ストレスや無気力感から来る「5月病」が出やすい時期だ。最近は、入社前に聞いていた仕事と実際の業務が異なるケースも多く、退職の話題が持ち上がりやすい。

先のTSRのアンケート(4月実施、有効回答6425社)では、「退職代行」業者を利用した退職があったと回答した企業は8.7%で、前回調査(25年6月)から1.5ポイント増えた。このうち、資本金1億円以上の大企業では21.3%に跳ね上がり、前回調査から5.6ポイント増え、利用が増えている実態が浮き彫りになった。

退職代行へ向けられる視線に変化

TSRの企業データベースで、営業項目に「退職代行」を掲げた企業は弁護士法人を除き56社ある。特徴は、56社すべて設立10年未満の業歴が浅い企業ばかりということだろう。

最も多い設立年は25年の32社で、ブームに便乗した参入ラッシュがうかがえる。都道府県別では東京都が最多の20社で、大阪府と愛知県が各6社と大都市圏が中心だが、多くの地方都市でも確認できた。

市場規模が拡大すると見られていた退職代行サービスだが、実は以前からサービスの一部に非弁行為が含まれる危険性を指摘されていた。

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【東京弁護士会は24年11月時点で注意喚起】

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