台湾の台北市や隣の新北市では2026年に入り、ネズミの大量発生が深刻な社会問題として連日のように報じられている。とくに5月に入ってからは、商業施設での騒動や感染症事例の確認を受け、行政当局が異例の大規模清掃に乗り出す事態となった。
26年5月10日には、台北市中山区の商業施設「誠品生活南西店」で天井付近からネズミが落下し買い物客の前に現れる騒ぎが発生した。これを受け、台北市衛生局と環境保護局が立ち入り検査を実施し、駆除業者による対策強化と環境改善を指導している。
ハンタウイルスへの感染例も
また5月初旬には、新北市在住の70代男性がハンタウイルスに感染したことも確認された。台湾で26年に確認された症例としては2例目にあたり、ネズミを媒介とする感染症への警戒感が市民の間で広がっている。
SNS上では、MRT(台北捷運)の駅周辺や大型公園でネズミを見かけたとの投稿が急増している。環境部長(環境相)の彭啓明氏も自身が公園でネズミを目撃したと明かし、問題の深刻化に言及した。
こうした状況を受け、台北市の蔣万安(しょう・ばんあん)市長は、26年5月8日から市内12区を対象とした大規模な消毒・清掃作業を開始した。
まず中山区では、市場や夜市、飲食店街を中心に重点消毒を実施。続いて5月11日からは、大同区、万華区、中正区で排水溝の清掃や、ネズミの侵入経路の封鎖作業を進めた。さらに5月12日からは、南港区、文山区、内湖区に専門業者による駆除チームを投入。5月13日からは、松山区、大安区、信義区で商業ビルや飲食店への衛生指導を強化し、5月14日からは士林区、北投区を含む地域全体で環境整備を進める方針を示している。
さらに、老朽建築物の解体時にネズミが周辺地域へ拡散する事態を防ぐため、「解体許可申請時に駆除報告書の提出を義務づける」という新たな規制も導入された。
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【日本での大発生と比べると…】
