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台湾・台北を中心にネズミが大量発生、ハンタウイルス感染例も確認、行政の対応に市民の不満が高まる事態に

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台北市などでネズミが大量発生、ハンタウイルス感染者も出て市民の不安が高まっている(写真:Vincenzo Izzo/Getty Images)
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郝龍斌(かく・りゅうひん)市長時代(在任2006~14年)には年間約250万〜290万台湾元(約1250万~1450万円)だったが、柯文哲(か・ぶんてつ)前市長時代(同14~22年)には約430万〜490万台湾元(約2150万~2450万円)へ増額。最終年度には約650万台湾元(約3250万円)に達した。そして蒋万安市長の就任後はさらに増え、直近3年間は毎年700万台湾元前後、日本円で約3500万円以上が計上されているという。

つまり、「予算が消えた」という言説は、26年の騒動の中で一部ネット上を中心に拡散されたものの、少なくとも予算総額そのものが消滅した事実は、公的資料からは確認されていない。

台北市の政策転換で増えた?

では、なぜ「予算がなくなった」「対応が弱体化した」と受け止められているのだろうか。背景には、16年を境に行われた政策転換があるとされる。

かつて台湾では、特定期間を定め、全国一斉に殺鼠剤や毒餌を散布する大規模対策を実施していた。しかし、猛禽類などへの二次被害が問題視され、環境保護の観点から16年にこの一斉投薬方式が廃止された。

現在は、地域ごとの状況に応じて、各自治体が必要な薬剤を環境保護局から受け取り、個別対応する方式へ移行している。つまり、以前のような「全国一斉の大規模駆除」が見えなくなったことで、「対策自体が弱まった」という印象につながった面もあるようだ。

一方で、市民や苗博雅・台北市議会議員らが問題視している核心は、「予算の有無」そのものではなく、「科学的な監視体制の不足」にあると指摘されている。

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【科学的な対応を望む市民】

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