「一刻も早く中国開発の新エネルギー車(NEV)を投入しないと日産が死んでしまう。危機感からとにかく大急ぎで開発した」
東風日産の関口勲総経理がそう振り返るのは、2025年4月に中国市場へ投入したセダンタイプのEV(電気自動車)「N7」だ。日産自動車はこの7年間、中国市場での販売台数を落とし続けてきた。そんな中、中国合弁である東風日産(日産と東風汽車集団が各50%出資)が開発したN7がヒットして以降、ようやく反転に向けた糸口が見え始めている。
かつて日産はガソリン車の「シルフィ」を筆頭に現地で圧倒的なブランド力を誇り、中国事業は18年のピーク時にトヨタ自動車を上回る156万台の販売を記録する稼ぎ柱だった。だが、比亜迪(BYD)をはじめとした現地メーカーが力をつけ、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)のNEVで価格攻勢をかけられたことで急速にシェアを失う。

日系3社の中では、ハイブリッド車(HV)をはじめ豊富な車種を展開してきたトヨタが年間販売180万台弱の高水準で踏みとどまる一方、日産とホンダの苦戦が著しい。25年の販売台数は日産が65.3万台、ホンダが64.5万台と、7年前のピーク時から5~6割も減少した。
台数の急減により、両社の工場稼働率は急激に悪化。日産は24年6月に常州工場(江蘇省、生産能力は13万台)を閉鎖、ホンダも合弁を組む広汽ホンダと東風ホンダの2つの工場の生産を26~27年に休止する見通しだ。
瀕死の日産を救った「N7」
だが、直近1年を見ると両社の明暗が大きく分かれている。
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