真剣に話し、土下座して結婚式への出席を求めた近藤さんに対し、母は「本物の女の人じゃない」と、頑として首を縦に振らなかった。
当時、キャラクターとの結婚式を挙げる人などほとんどいなかったが、近藤さんはあえて挙式にこだわった。花嫁のお色直しにファーストバイト、誓いのキスなど、一般的な結婚式で行われることをなるべく取り入れ、総額200万円をかけた。
現在は、『二次元キャラクターとの結婚式のしかた』を同人誌として発行し、同じく世間の無理解や偏見に苦しむ仲間たちに、挙式場所や方法などの情報を提供している。版を重ねるごとに事例は増え、現在は第10版。海外のケースもあわせて、19件が紹介されている。
意外と盲点となるのは、キャラクターには版権元があるため、式で本物の画像やグッズは使えないということだ。マネキンをそれらしく見立てたり、コスプレイヤーを頼ったりと、それぞれ工夫を凝らしている。
「結婚」というラベル、「結婚式」というくさび
彼らが結婚式にこだわるのは、愛するキャラクターとの絆に名前を付けたいからかもしれない。
この関係を表す言葉がないから、「結婚」というラベルを選ぶ。いつ離れてもおかしくない関係だから、「結婚式」というくさびを打ち込む。
私は結婚12年目。挙式も披露宴も行わなかった。一時のイベントよりも、「二者間の良好な関係性の継続」こそが本質だと思ったからだ。しかしそれは相手が人間の男性であり、社会規範にのっとった結婚だったからなのかもしれないと、思い至った。
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【家族との関係も変わりつつある】
