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株高より心配な令和の物価高騰 "別のヤバい結末"を引き起こす、昭和バブル時になかった条件とは?

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物価高騰を伝える新聞
絵空事ではない「インフレ率10%」というシナリオを解説する(写真:Graphs/PIXTA)
  • 藤巻 健史 経済評論家、フジマキ・ジャパン代表取締役、東洋学園大学理事

INDEX

日本の物価高は一時的なものではなく、今後さらに長期化する可能性がある。背景にあるのは、日銀が金利を十分に引き上げられない事情と、株価・不動産価格の高騰による“資産インフレ”だ。本稿は、『物価高・円安はもう止められない!』を一部抜粋のうえ、かつてのバブル期とも異なる現在の日本経済を読み解き、絵空事ではない「インフレ率10%」というシナリオを解説する。

物価高が続く2つの要因

新型コロナウイルスのパンデミックの収束後、日本では物価の高騰が続いています。生活が苦しくなり、「これ以上の物価高はかんべんしてほしい」と多くの人が思っているのではないでしょうか。

しかし、私はこうした物価上昇が、今後も長く、長く続いていくのではないかと危惧しています。物価高騰が続くと考える理由は、大きく2つあります。

1つめの理由は、「日本銀行(日銀)が金利を上げようとしない」 ことです。現在の金利がどれほど低いのかは、実質金利を見れば明らかです。

実質金利は、名目金利から物価上昇率(インフレ率)を差し引いて計算します。

現在の政策金利は0.75%、インフレ率が3%程度なので、0.75%から3%を引きます。つまり実質金利はマイナス2.25%程度となります。

たとえば、皆さんが100万円の銀行預金をしていたとすると、0.75%の金利がつくと7500円になります。一見得をしているように見えますが、インフレ率が3%ということは、今まで100万円で買えたものが翌年には103万円かかることになります。つまり、普通に100万円の銀行預金をして生活していると、3万円から7500円を引いた2万2500円損することになるわけです。私はこれまで、これほど低い実質金利を見たことがありません。

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【なぜ、日銀は金利を上げないのか】

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