実質金利を低く抑える政策がとられるのは大不況のときです。日本のインフレ率は、2022年4月以後、これまで3年半以上、3%前後で推移してきました。物価が上昇しているときに、実質金利を低く抑える政策がとられることは通常ありません。低金利政策は、景気が悪いときに、「物価を上げよう」「景気を良くしよう」ととられる政策なのです。
メタボで危険な中央銀行、日銀
金融政策を司る日本銀行の最大の役割は、物価上昇、つまりインフレをコントロールすることです。物価上昇を抑えるには金利を上げる必要があります。
かつての日銀は、物価が上昇しそうだと思ったら早め早めに予防的に政策金利を少しずつ上げ、金融引き締めに動きました。しかし、現在の日銀は屁理屈ばかりを言って、金利を大幅に上げようとしません。その結果、マイナスの実質金利が続いており、この状況が続く限り、物価も上昇を続ける可能性が高いというのが私の見立てです。
ではなぜ、日銀は金利を上げないのでしょうか。私は、経済的理由というよりも、日銀の内部事情、日銀の財務の危険性に由来するのだろうと推察しています。上げないのではなく、上げられないのです。
日銀は現在、世界でダントツのメタボで危険な中央銀行となっています。
ちなみに、安倍晋三元首相が行ったアベノミクスのとき、「デフレからの脱却」が叫ばれ、インフレ政策がとられました。インフレになれば、景気が良くなると考えられたわけですが、実は逆で、景気が良くなるとインフレになるに過ぎません。
もし本当に、インフレになれば景気が良くなるのであれば、公共料金─水道や電気の料金を上げればいいだけです。消費者物価指数が上がってインフレになります。
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【物価高が続く2つめの理由】
