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タイパより"納得感"——老舗百貨店が挑む「3300円の着こなしコンサル」が40〜50代の切実な悩みを救う理由

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老舗百貨店のファッションコンサルティングサービスはどのようにして生まれたのか?(写真:筆者撮影)
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「安いから」となんとなく買い、結局着ないままタンスの肥やしになって捨てられる服たち。筆者も毎年春になるたびに、捨てる服を眺めて胸を痛めてきた。

それよりも、プロと徹底的に向き合い、心から納得して選んだ「一生ものの1着」にお金をかける。その体験こそが、結果として無駄な買い物を減らし、衣服の廃棄を抑えることに繋がるのではと思う。

長島さんは、ある顧客のエピソードを教えてくれた。

「リネンのカーディガンの縫い目が裂けてしまった方がいたのですが、『おすすめしてもらったこの服は、顔映りがすごく良くみえて、大事に着続けたいからどうしても直してほしい』と相談を受けました。そのときは館内のリフォームサービスに繋ぎ、最適なお直し方法を見つけてその後もご愛用いただいています」(長島さん)

売って終わりではなく、直してでも着続けたいと思える服との出会いを生み出し続ける。使い捨ての時代に対する百貨店ならではの対応だ。

人生のスタイリングパートナー

現在、このサービスは右肩上がりに予約を伸ばしており、20代のスタイリングパートナーを指名する若い世代も増えているという。

サービスを受けた利用客が、そこで紹介された館内の好きなブランドへ自分で買いに行くという相乗効果も生まれ、百貨店全体の売り上げにも寄与しているという。

効率化とデータ分析があらゆる業界を席巻する今、消費者が本当に求めているのは、自分の悩みに耳を傾け、一緒に解決策を探してくれる「人」の温もりなのかもしれない。

小松さんは、自分たちの役割についてこう語る。

「私たちは、プロ目線で一方的に教えるようなことはしたくないんです。スタイリングパートナーという立場で、お一人おひとりのライフスタイルに寄り添っていきたいと思っています」(小松さん)

筆者は今まで、着なくなった大量の服を前にため息をつく春の風景があった。しかし、コンサルティングサービスを受けて「本当に似合う、胸を張れる1着」を見つけ、大切に付き合っていく喜びを知った。服との向き合い方が変われば、途方に暮れていたクローゼットの景色も変わっていくだろう。

【前編は低身長に悩む筆者を救ったアドバイスのあれこれをレポートしています→】「あれ、服が似合わない…」加齢と低身長で"ファッション迷子"、筆者を救った「3300円」阪神梅田・接客サービスの中身

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