年齢を重ねた女性ならではの服選びや「ファストファッションだけでは物足りなく感じる」と言う筆者の悩みにも、小松さんから答えがあった。
「ファストファッションはベーシックなアイテムが多いので、そればかりだと少し寂しくなりがちです。そこに、ツヤ感があったりする上質な生地をワンポイントで足すだけで、大人ならではの魅力が引き出せます」
提案されたのは、Mila Owen(ミラオーウェン)の少しラメが入った表情豊かな生地のカーディガンだった。ビジネスの場でも「親しみやすさと、きちんとした印象」を両立できる素材選びである。
加齢によって気になり始めたヒップラインをカバーする方法も教えてもらった。例えば、筆者の60代の母はこれまで、お尻周りを隠すためにいつも長めのトップスにパンツを合わせる、エプロンのようなスタイルになりがちだ。
こういった場合、前を開けてインナーのウエスト位置をしっかり見せたり、「ロングジレ」というベストを羽織ったりすることで、すっきりとしたラインが作れるという。
「パンツはあえて1サイズ大きめを選んだ方が、脚のラインを強調しすぎずきれいに見えることがあります。セレクトしたパンツは、長さをウエストで調整していただけます」(小松さん)
プロの裏側にあった見えない努力
館内で数軒のお店で試着して約2時間。印象的だったのが、小松さんがそれぞれの店員さんに「見させていただきます」と声をかけ、売りものを丁寧に扱う姿だ。そして、お店側も「なんでも着てみてくださいね」というウェルカムな雰囲気があった。
日頃から小松さんは、館内のさまざまなショップの店員と密にコミュニケーションを取っている。「小柄な人に合う新作はないか」と日常的にやり取りをし、ブランドの垣根を越えた関係性を築いているという。
筆者が「買わされるのではないか」と不安に思っていた裏で、彼女たちは「この人に一番似合うものを探す」という努力をしていたのである。
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