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日本から魚が消えていくのは当然だった…「外国のせい」でも「漁業者のせい」でもない"本当の理由"

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瀬戸内海で漁獲されたマダイ(写真:筆者提供)
  • 片野 歩 Fisk Japan CEO/東京海洋大学 特任教授
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資源が持続的で非常に多ければ良いですが、数量管理なしで獲り続けた三陸での結果は悲惨で、ほぼ獲れなくなりました。マダラも国際的な需要が根強く、震災前に輸入していたアメリカ産マダラの輸入もすっかり先細ってしまいました。2025年のアメリカからの輸入量は300トンでキロ860円。10年前の2015年の輸入量は1.3万トンでキロ440円でした。輸入水産物は世界での需要増加で、さらに頼りにならなくなっていきます。

サバでも食用にならない小さなサバが未利用魚という位置づけになります。そのまま養殖のエサに向けられる数量が大半です。しかし、その規格外の小さなサバを食用として利用すれば、未利用魚の活用とも受け取れます。

でも考えてみてください。そもそも食用にならないような小さなマダラやサバを獲ってしまう水産資源管理制度に、大きな問題はないのでしょうか。

上の写真はスケトウダラの幼魚です。1尾40グラム前後。アメリカで漁獲されるスケトウダラの重量は、1尾あたりその10倍以上です。このように幼魚を獲ることは、漁獲制度がしっかりしている国では極めて少ないと言えるでしょう。スケトウダラからはタラコが取れます。未利用魚であるスケトウダラの幼魚からはタラコは取れません。恐らくそのまま養殖のエサになるものと思いますが、仮に食用に利用したとしても、その未利用魚の利用は良いことなのでしょうか。

なぜこのようなことが起きてしまうのか?

日本の資源管理制度と、水産業を成長産業にしている国々とでは、法律上根本的に違うことがあります。

それは、日本の場合は、水産物が無主物となっており、水産資源を「国民共有の財産」として明確に位置づける考え方が、日本では十分ではないということです。なお、そうでなくてもアメリカのように国民の負託を受けた「行政」が行うかどうかで結果が違うのです。

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