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日本から魚が消えていくのは当然だった…「外国のせい」でも「漁業者のせい」でもない"本当の理由"

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瀬戸内海で漁獲されたマダイ(写真:筆者提供)
  • 片野 歩 Fisk Japan CEO/東京海洋大学 特任教授
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繰り返し強調しますが、こうした「成長乱獲」を起こしてしまう原因は漁業者ではなく、水産資源管理制度の問題です。正しい情報が不足しています。水産資源管理の問題は、資源管理の考え方や情報が十分に共有されてこなかった日本社会の問題なのです。

小さなアジも容赦なく漁獲

小さなアジも容赦なく漁獲されています。マアジは、マダイやノドグロと異なり漁獲枠があります。しかしながら漁獲枠が大きすぎて機能していません。このため写真のように1尾5センチに満たないアジまで漁獲されてしまいます。網目は一体どれだけ細かいのか……。日本は国際的な漁獲枠が機能しはじめたクロマグロを除き、多くの魚種で資源が減ってしまい、魚が獲れなくなっています。

マアジ(写真:筆者提供)

マアジの漁獲量も例外ではなく減少を続けています。マアジの漁獲量は、漁獲枠が大きすぎて資源管理が機能していません。このため漁獲量は2019年に10万トンを割って以降、回復の兆しはありません。2025年の年間漁獲量は約8万トンでした。一方で2025年の枠は14.5万トンですので、枠の消化率は55%。これでは「獲り放題」で、漁業者は小さいアジの漁獲を避ける必要がないのです。

小さな魚が成長乱獲されている例は、まだまだたくさんあります。「日本は資源管理が厳しく、漁業者が小さな魚を狙っているはずがない」——ここまで読んでいただいて、果たしてそうだったでしょうか。

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【漁獲枠なしで根こそぎ獲ってしまった影響】

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