4月30日夜、為替介入に動いたとみられる日本政府。ドル円レートは1ドル=160円から一時は155円台半ばまで円高になった。
しかし、為替介入の効果がどこまで継続できるかは不明だ。本来必要なのは、円安の根本的な要因である日米金利差に直接対処するために日本銀行が政策金利の引き上げを行うべきだからである。
為替介入は「時間稼ぎ」にすぎない
もともと為替介入は為替レートの問題を解決する基本的手段とは考えられておらず、「時間稼ぎ」と捉えられている。介入に先立って円安が進んだのも、日銀が4月28日の金融政策決定会合で利上げを見送ったことの影響が大きかったと考えられる。日銀が現在の円安を容認するシグナルと受け止められた可能性は否定できない。
日銀が利上げを急がない姿勢を見せていることは、介入の効果を打ち消す要因となる。 政府が円買い介入で「円高」を促す一方で、中央銀行(日銀)が緩和的な環境を維持すれば、政策の方向づけが一致せず、市場は再び円を売りやすくなる。
介入によって市場から吸い上げた円を再び市場に戻さない「非不胎化介入」であれば、金融引き締めと同様の効果(円の供給減少)が期待できる。だが、現状の金融政策の枠組みではその効果も限定的だ。
2024年7月のような大規模な介入でも円安トレンドを完全に転換させるのは難しい。そのため、介入は「介入の裏で日銀が利上げ姿勢を示すこと」とセットで語られることが多い。
日本のマイナス実質金利(名目金利-インフレ率)は異常な状態だ。利上げによって実質金利の正常化を実現することは、経済を正常化するための不可欠なステップなのである。
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【本来あるべきドル円レートとは?】
