週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
ライフ #だから、ひとり暮らし

家賃5.9万・築60年木造アパートの「ひとり暮らし」…「わかったふりはしたくない」と葛藤する29歳現場監督の"幸せの形"

9分で読める
寺澤さんの部屋
建築現場で施工管理の仕事をする寺澤さんの部屋(撮影:尾形文繁)
  • 蜂谷 智子 ライター・編集者 編集プロダクションAsuamu主宰
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

取材の終盤、寺澤さんは「結構、毎日幸せなんですよね」と言った。それは何か大きな達成を指す言葉ではなく、ささやかで生活に根ざした実感だ。

この部屋の大きな窓から見える風景。 春になるときれいに咲くという桜。近所にある、素顔で居られるコミュニティ。まだ怒られることも多いけれど、それでも頑張ろうと思える仕事。

「大きな望みは特にないけれど、仕事ができるようになって、もう一度、愛車を自分の手元に戻したい。お金がないとき、実家に送り返してしまったので」

派手ではないが、自分の生活の延長線上にある喜びや、願い。その‟確かさ”が、彼の“幸せ”をつくり出している。

「はっきりしろよ」と言われながらも、寺澤さんは、自分の“わからなさ”をごまかさずに、踏ん張っている。ときどき安心できるコミュニティの中で力を抜いては、また仕事へ戻っていく。

そのタイトな繰り返しの中で積み重なっていくものだからこそ、彼の“幸せ”はささやかではあれど、軽くは聞こえなかった。

落ち着いた暮らし

作業がしやすそうな大きな机(撮影:尾形文繁)
几帳面な性格なのか、キッチンもきれいに整理されていた(撮影:尾形文繁)
狭いアパートには不釣り合いなほど広いトイレは掃除が行き届き、いくつかのアートが飾られていた(撮影:尾形文繁)
ベッドはなく、敷布団と寝袋で、部屋を広く使っている(撮影:尾形文繁)
本連載では、ひとり暮らしの様子について取材・撮影にご協力いただける方を募集しています(首都圏近郊に限ります。また仮名での掲載、顔写真撮影なしでも可能で、プライバシーには配慮いたします)。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象