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家賃5.9万・築60年木造アパートの「ひとり暮らし」…「わかったふりはしたくない」と葛藤する29歳現場監督の"幸せの形"

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寺澤さんの部屋
建築現場で施工管理の仕事をする寺澤さんの部屋(撮影:尾形文繁)
  • 蜂谷 智子 ライター・編集者 編集プロダクションAsuamu主宰
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寺澤さんは、スマートフォンをなるべく見ないようにしているという。

「ずっと見ちゃうと、時間がもったいないなって思って。ただ欲しいものが増えるだけで。見てると、これいいなとか、こういうの欲しいなとか、どんどん増えていっちゃうんですよ。それで結局、自分に何か残るかっていうと、大して残らない。だから、そんなに見なくてもいいやって」

SNSを強く否定しているわけではない。便利さも、楽しさも知っているけれど、自分にとって「リアルなものではない」と線を引いている距離感が、SNSネイティブの若者らしい。

この部屋のインテリアや彼が着るもの。そこからはSNSのインスタントな影響からは出て来ない、彼らしいスタイルが感じられた。

自分へのご褒美として購入したSupreme(シュプリーム) のジャケット。ジャケット全体に白い糸でびっしりと”Fuck”の文字が刺繍されている。ところが年末の着用時に暖房器具の炎が移って燃えてしまった。重ね着していたジャケットは丸焦げ。「悲しいけれど、お直しして着るつもり」とのこと(撮影:尾形文繁)

家でも職場でもない、‟素の自分を出せる場所”を持つ

では、どのようにオフタイムを過ごしているのか?と聞くと、行きつけの飲み屋に2週に1度は顔を出していると言う。店の人にも名前を覚えられていて、お店の人や常連が自宅に遊びに来たりもする。

客でありながら、少しだけ店の側にもいるような、不思議な距離感だ。その店が生活のどれくらいを占めているかを尋ねると、寺澤さんは少し考えてから、「30%ぐらいですかね」と答えた。数字に明確な根拠があるわけではないのだろうが、「プライベートの中の大事な時間ではある」とも続けた。

「家にひとりでいても『何もないな』って思うときに、行く場所。たいていは知り合いが居るし、でも別に誰もいなくてもいいし。お酒の力を借りてるのかもしれないけど。特に深い話をしなくても、普通に楽しく話せて、素の自分でいられるんです。僕は猫をかぶってしまいがちなので、そこで話すとすっきりすることが多くて」

寺澤さん行きつけの「夢であえたら」は、新丸子のコミュニティでハブになっている立ち飲み屋(写真:寺澤さん提供)
寺澤さんは2週に1度は顔を出しているという(写真:寺澤さん提供)

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【自分を守る「サードプレイス」】

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