それを満たす仕事や環境を提供できていないと、仕事のやる気をなくすだけでなく、やがて会社を去ってしまうかもしれません。リーダーは常に、メンバーのキャリアアンカーを見極めたうえでマネジメントをしていきましょう。
必要最低限の業務だけをこなす「静かな退職者」
「静かな退職者」は、どの会社にも存在している可能性があります。
「静かな退職(Quiet Quitting)」とは、アメリカのキャリアコーチであるブライアン・クリーリーが2022年にSNSを通じて提唱した概念です。転職や退職をするつもりはないものの、仕事に対して意欲や熱意を持たず、キャリアアップや昇進などもめざさず、必要最低限の業務だけをこなす働き方のことです。
この考えは、アメリカで広がり、今では日本でも広がっています。
2025年に、とても興味深い内容が公表されました。20代~50代の正社員に「静かな退職」をしているかどうかを聞いたところ、「静かな退職」をしていると回答した割合が、何と4割を超えていたのです(マイナビキャリアリサーチLab「正社員の静かな退職に関する調査2025年(2024年実績)」)。
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詳しく見ていくと、「そう思う」が14.5%、「ややそう思う」が30.0%、合計すると44.5%という数字です。年代別では、「20代 46.7%」「30代 41.6%」「40代 44.3%」「50代 45.6%」と、どの年代も40%を超えています。その中でも、20代が高く、30~50代は年齢とともに徐々に高くなっています。
「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が定着し、働く人の意識や労働観が変化した結果ですから、この風潮は変わりません。冷静に受けとめるしかないのです。
しかし、このような意識の人が増えると、組織にとってはマイナス面が大きいです。「静かな退職者」が増えると、まず会社としての活力がなくなります。主体性を発揮する人は減り、言われたことだけを行う集団になってしまうからです。
「静かな退職者」により、会社としての生産性も落ちます。しかし、それ以上に恐れるべきは次の2つです。1つは、イノベーションが起こらなくなること。もう1つは、やる気のある人が辞めていくことです。
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【集団というのは、似たもの同士が集まりやすい】
