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仕事の効率が劇的に変わる「公園散歩」の驚くべき効能…認知機能が20%向上、最新の「環境神経科学」が解明した脳の回復術

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ネイチャー・エフェクト
自然のなかでたった50分間すごしただけで、そのあとは認知機能が20%向上する(写真:Luce/PIXTA)

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現代のビジネスパーソンにとって、最大の敵は「注意力の疲労」です。絶え間なく押し寄せるデジタル情報の攻撃に、私たちの脳は悲鳴を上げています。最新の「環境神経科学」を切り拓いたマーク・バーマン教授は、脳を真にリフレッシュさせ、生産性を劇的に引き上げるカギは「自然界」にあると断言します。バーマン教授の最新作『ネイチャー・エフェクト』より一部抜粋・編集し、科学的な実験によって裏付けられた、脳の「選択的注意」を回復させる驚きのメカニズムを解説します。

認知機能を定量化する「公園散歩」実験

私たちはこの研究を「公園散歩」(A Walk in the Park)と呼んでいる。被験者のグループに、記憶力と注意力を評価する認知課題に取り組んでもらったあと、散歩をしてもらったのだ。たとえば、4―9―7―5―1という数字の読みあげを聞いたあと、それを逆順で1―5―7―9―4と述べてもらう。

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これは「数字の逆唱課題」というもので、被験者の記憶力と注意力を評価するのが目的だ。難しい課題であり、私たちの研究では桁数を増やしつづけ、最後には9桁にした。ここまでくれば、正答するのは非常に難しくなる。

この課題を終えたあと、被験者の半分にはキャンパスを出て、ミシガン大学が管理するアナーバー樹木園を散歩してもらった。常緑樹の森のなか、ゆるやかにカーブする小道をヒューロン川まで歩くのだ。

残り半分の被験者にも、同じ距離を同じ時間歩いてもらったが、こちらは交通量の多いアナーバーの市街地に出て、車が猛スピードで走る4車線道路の歩道を歩いてもらった。

そして研究室に戻ってくると、被験者全員に例の難しい「数字の逆唱課題」も含め、記憶力と注意力を評価する同じ課題に取り組んでもらった。

実験の精度を上げ、グループ間の偏りをなくすため、1週間後に各自のルートを入れ替え、まったく同じことを再度おこなった。つまり、前回、交通量の多い市街を歩いた人には自然のなかを歩いてもらい、自然のなかを歩いた人には市街地を歩いてもらったのだ。

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【同じ散歩でも公園と繁華街とでは結果が違った】

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