09年には大分道で高校の野球部員46人が乗った大型バスが側壁にぶつかって横転、生徒1人が車外に投げ出されて死亡したほか、同乗していたほとんどの部員が負傷した。
この事故でバスを運転していたのは、野球部の副部長を務める高校の教諭であった。
また16年には、高速道路ではないが、長野県軽井沢町の国道18号「碓氷バイパス」で、スキー場に向かうツアーバスがガードレールをなぎ倒して道路わきに転落、乗員・乗客の15人が死亡、乗客の大半は大学生であった事故もある。
昨年7月には、新潟県の北陸道で大学生が乗ったスクールバスがトラックと衝突し、乗っていた大学生6人が怪我をした。
なによりも安全を最優先に
筆者も前任の大学では、東京駅や千葉駅、蘇我駅から大学のキャンパス内に向かう、いわゆるスクールバスを通勤に使っていて、車内は数人の教員を除いてあとはすべて大学生という状況であった。
このスクールバスは、東京と成田空港を結ぶ高速バスなどを運行するバス会社に運行が委託されており、運転手もバス会社所属のプロの運転手だった。
今回の磐越道の事故のような責任の所在のわかりづらさはないが、それでも万が一事故が起きれば、通常の路線バスとは違った扱いの報道がされるだろうということは、容易に想像できる。
地方の鉄道が相次いで廃止される一方で、高速道路が各地で延伸され、学生の移動も中距離を中心に鉄道から道路へと移りつつある。
磐越道のケースでもSNSなどでは、「公共交通機関を使えば安全だったのに」といった声が散見されるが、新潟市と福島県富岡町を公共交通で移動しようとすると、新幹線などを利用しても最低5時間はかかるし、運賃・料金も1人往復3万円以上となるから、高校生の部活動の移動としては現実的ではないだろう。
とはいえ、「面倒だから」とか「忙しいから」といった理由で安全の確認を疎かにしてよいわけはない。大型連休最終日の痛ましい事故が、今後同様の事故を防ぐ新たな教訓につながることを願いたい。
