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クルマの窓を割る強風に痛ましいバス事故…「長大な渋滞」は少なくても「今年の大型連休」が残した多くの課題

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ゴールデンウィークの高速道路状況を振り返る
ゴールデンウィークの高速道路状況を振り返る(写真はイメージ、写真:kazu_ft2021 / PIXTA)
  • 佐滝 剛弘 みらい観光文化リサーチベース代表 元・城西国際大学教授
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もちろん、その検証も重要だが、高速道路の安全を第一に考える筆者の立場からすると、なぜ片側2車線で見通しも悪くない高速道路で、本来クルマと人の命を守るはずのクッションドラムやガードレールが重大事故を防げなかったのか。

また、1人の生徒がなぜ反対車線にまで飛び出し、死に至るまでの大事故になったのかということをきちんと検証することが最優先であろうと感じる。仮に運行状況に瑕疵がなくても、事故は起きていたかもしれないからである。

いまだ絶えないバスによる重大事故

現場は、筆者も何度か自分でハンドルを握って運転したことがあるが、標高の高い会津盆地から阿武隈川沿いの低地にある郡山盆地へと、カーブしながら小さな峠を越えて標高を下げていく途中であり、トンネルとカーブと下り勾配が続く、緊張を強いられる区間だ。当然、ドライバーにも慎重な運転が求められる。

磐越道はアップダウンも激しくカーブも多い(写真:HiroHiro555 / PIXTA)

また、今回のマイクロバスは、新潟市から福島県富岡町までを日帰りで移動する強行軍のスケジュールであったという。

日本海側から日本列島を横断して太平洋側とを結ぶ磐越道を端から端まで走る、200kmをゆうに超す距離であり、片側1車線の対面通行の区間や80km規制の区間もあるため(事故が起きた場所も80km規制の地点であった)、順調に走っても3時間以上はかかる道のりだ。

学校を朝5時半に出発したと報道されているので、バスのドライバーはそれよりもかなり前に起きてバスを学校に回していたはずだ。プロの運転手であっても1人でこの区間を往復するのは、かなり負荷のかかる業務であると考えられる。

多くの若者を乗せた長距離を走るバスが高速道路、もしくは国道で大きな事故が起こしたケースはこれまでにもある。

2012年4月、関越道「藤岡ジャンクション(JCT)」付近で高速ツアーバスが防音壁に衝突して7人が死亡、うち10代、20代が4人含まれていた事故は、その一例だ。

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【学生の移動が鉄道からバスに移っているいま】

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