マイナーチェンジでは賛否両論だったこともある。19年に現在の縦型LEDヘッドランプを採用したが、あまりにもアクの強い”顔”にバッシングもされた。当時、三菱自動車はアジアマーケットで主流になりつつあるデザインを取り入れたと説明していたが、国内では特殊な顔に見えていたのだ。
それでも、時間が経つにつれ違和感がなくなっていった。7年前のデザインとは思えない、現在でも通用する特徴的で新しい顔に思えるわけで、先見の明と言えるだろう。
そしてこの時、エンジンにクリーンディーゼル・ターボを搭載し、新開発の8速ATと組み合わせて発売している。ガソリン車のモデルも在庫処分的にしばらくは残していたが、現在はこのディーゼル・ターボ1本だけで勝負をしている。
こうしたビッグ・マイナーチェンジも含めつつ、フルモデルチェンジなしに繋いできたら、25年度は07年のフルモデルチェンジ直後の1年間をも上回る2万6379台を販売。19年目にしてD:5史上、もっとも売れた年度になった。また、軽自動車を除けば、国内でもっとも売れている三菱車でもある。
歴史的に三菱自動車は、息の長いモデルを生産をした実績がある。
初代「デボネア」は64年から86年までの22年間モデルチェンジを行っておらず、「走るシーラカンス」の異名をもっていた。当時、三菱自動車の最高級車として位置づけられたモデルの記録まであと3年。なんだか、D:5を応援したくなってくる。
三菱自慢の4輪制御技術S-AWCを搭載
さらなる記録更新を狙ってか、今年のマイナーチェンジでは、三菱自動車のAWD(全輪駆動)のアイコン的機能であるS-AWCを搭載してきた。
S-AWCとは、スーパー・オールホイールコントールの略で、路面状況が変わっても常に車両が安定して走行できる機能を指す。具体的にはブレーキを4輪個別に管理し、滑りを制御しながら車両を安定させる装置だ。
クルマは直進でもカーブでも、実は「滑り=摩擦」を起こしながら走っている。消しゴムをまっすぐ動かしてもカスがでるように、路面と摩擦しながら走っている。だからタイヤが減るのだが、その摩擦の変化をセンサーで検知し、ブレーキをつまむこと(ドライバーがペダルを踏んでいなくてもシステムが自動的に特定の車輪に軽くブレーキをかける技術)で何事も起きていないように走行することができる。
専門的にはブレーキAYCと呼び、常時ブレーキによってアクティブにヨー(左右の首振り)をコントロールをしているフルタイムAWDとなる。
小難しい技術の説明を端折ると、「パジェロ」や「ランサーエボリューション」といった名車によって培われてきた三菱自動車の看板となる走りの技術がD:5にも搭載されたわけだ。
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【これまで切り替え式AWDだった理由】
