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ThinkPadはなぜ「薄さ」を追うのをやめたのか──0.5ミリ競争の先でレノボが選んだ次の価値軸

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ThinkPad X1 2-in-1 Gen 11 Aura Edition
ThinkPad X1 2-in-1 Gen 11 Aura Edition。2026年モデルは全10機種を展開する(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター
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「生産性って、そういう1つのちょっとした3秒の動きかもしれないですけど、ユーザーに自分を調整させちゃっていることなんです。逆にPCがあなたに合わせますという方向にしたかった」

500メートル先からでもThinkPadだとわかる

ThinkPadのアイデンティティを語るうえで避けて通れないのが、キーボード中央に埋め込まれた赤い突起「トラックポイント」(TrackPoint)だ。キーボードから手を離さずにカーソルを動かせるポインティングデバイスで、ThinkPadを象徴する部品の一つとなっている。25年に発売されたThinkPad X9ではこのトラックポイントを廃止し、アルミ筐体のモダンなデザインで他社のノートPCからの乗り換えを狙った。一方、26年モデルのX1 CarbonやTシリーズではトラックポイントを残している。

ThinkPad X1 Carbon Gen 14のキーボード。中央の赤い突起がトラックポイントだ(写真:筆者撮影)

この使い分けは意図的なものだと塚本氏は説明する。

「X9は今、他社を使っているお客様にThinkPadの良さを知ってもらうための製品。トラックポイントがあることで購入を控えている方がいるなら、それよりもThinkPadのキーボードや堅牢性、性能のバランスといった良さを体験していただきたい」

従来のThinkPadシリーズは社内で「クラシック」と呼ばれている。500メートル先から見てもThinkPadだとわかるデザイン。トラックポイントもその一部だ。カーソル操作に使わないユーザーが増えていることは認識しつつも、ブランドのアイデンティティとして残す判断をした。トラックポイントをダブルタップするとAI関連の機能を呼び出せるランチャー機能も搭載しており、入力デバイスとしての役割も広げている。

X9でThinkPadの使い心地を気に入ってもらえたら、クラシックシリーズに来てもらう。その導線も描いている。

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【サービスの中心にPCが位置するという構想】

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