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ThinkPadはなぜ「薄さ」を追うのをやめたのか──0.5ミリ競争の先でレノボが選んだ次の価値軸

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ThinkPad X1 2-in-1 Gen 11 Aura Edition
ThinkPad X1 2-in-1 Gen 11 Aura Edition。2026年モデルは全10機種を展開する(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター
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結果として、ビデオ会議中の表面温度が約4度下がり、ファンの騒音も11%低減した。膝の上で使っていても熱さを感じにくく、会議中にファンが急に回り出して気まずい思いをする場面が減る。性能を引き上げつつ、使っている時の不快感を減らしている。

基板の新旧比較。上が前世代のX1 Carbon Gen 13、下が新モデルのGen 14。コネクタを両面に実装することで18%小型化した(写真:筆者撮影)

メンテナンス性ではさらに踏み込んだ。USBポートが壊れた場合、従来は本体の基板ごと交換する必要があった。端子1つの故障で基板を丸ごと替えるのはコスト面で大きな負担だ。26年モデルではUSBポートを単体で交換できる設計にした。

USBポートを本体から取り外した状態。基板を交換せずにポート単体で修理できる(写真:筆者撮影)

ThinkPad Tシリーズでは、バッテリー、SSD、メモリ、キーボード、冷却ファン、USBポートのすべてがユーザー自身で交換できる。修理のしやすさを評価するiFixit社のスコアでは、PC製品として初の満点を獲得した。EUで修理する権利の法制化が進む中、法人のPC調達でも修理性を評価基準に加える動きが出始めている。iFixitの満点は、そうした流れへの対応でもある。

ただし、薄さの追求をやめたからといって、可搬性を諦めたわけではない。X1 Carbonは約977g、T14sは前世代から約170g軽い約1.07kgと、軽さには引き続きこだわっている。薄さではなく軽さで差をつけるという判断でもある。

34年目のキーボード再発明

ThinkPadにとってキーボードは生命線だ。キーボードのためにThinkPadを選ぶユーザーは少なくない。その領域にも今回、大きく手を入れた。

きっかけは塚本氏自身の体験だった。「会議室でみんなが使っていると、ガチャガチャとうるさいなと思った」。キーを押したときの感触(打鍵感)は妥協せず、音を品よく静かにできないか。チームに出した課題だった。

もう1つの課題は、キーキャップの個別交換だ。爪の長いユーザーがキーを1つ取ってしまった場合、従来はキーボード全体を交換する必要があった。なぜ1つのキーのためにキーボード全部を替えなければならないのか。この声にも応えたかった。

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【打鍵音は平均5〜10dB低減し、打鍵時の衝撃も最大50%減】

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