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ThinkPadはなぜ「薄さ」を追うのをやめたのか──0.5ミリ競争の先でレノボが選んだ次の価値軸

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ThinkPad X1 2-in-1 Gen 11 Aura Edition
ThinkPad X1 2-in-1 Gen 11 Aura Edition。2026年モデルは全10機種を展開する(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター
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「お客様の成功を支えるツールとして、ユーザーの生産性を上げるイノベーションを作り出していく。1992年の初代ThinkPadからその思いで開発してきていて、レノボになってからもまったく変わっていない」

現在はThinkPadに加え、ビデオ会議システムのThinkSmartやワークステーションのThinkStationなど、企業向けデバイス全体の開発責任者を務めている。

インタビューに応じるレノボ・ジャパンの塚本泰通執行役員副社長。横浜・みなとみらいの大和研究所にて(写真:筆者撮影)

コンピューティングからコミュニケーションツールへ

塚本氏のキャリアは、PCの役割の変遷と重なる。

メインフレーム(大型コンピューター)が置かれた部屋に行かなければ仕事ができなかった時代から、デスクトップPCで自席に座って作業できるようになった。ワイヤレス技術の登場で社内を移動しながら仕事ができるようになり、PCに携帯回線が内蔵されると新幹線やカフェでも仕事ができるようになった。

そして2020年、コロナ禍が働き方を一変させた。出社が制限され、ビデオ会議が日常になると、PCの内蔵カメラやマイクの性能が急に問われるようになった。

「日本人は特にPCのカメラを求めていなかったんですよね。品質も悪かった」と塚本氏は当時を振り返る。ただ、ThinkPadはコロナ前からオーディオの改善に投資していた。電話会議でヘッドホンなしでも使えるレベルのスピーカーとマイクを搭載していたことが、テレワーク時代に入って評価された。

コロナ禍は、PCをコンピューティングの生産性ツールから、人と人をつなぐコミュニケーションツールへと変えた。

もっとも、移行は一朝一夕ではなかった。コロナ当初はビデオ会議中のバッテリー消費が激しく、1時間しか持たない状況もあったという。レノボはビデオ会議中の消費電力のボトルネックを洗い出し、インテルやAMDといった半導体メーカーや、Windows OSを提供するマイクロソフトに修正を求めた。現在は5〜6時間の会議でもバッテリーが持つレベルになっている。

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【ユーザーが進化を実感しにくい領域に入っている】

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