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"無償エキストラ募集"で炎上「侍タイムスリッパー」安田淳一監督、「1人7000円自腹」はそこまで叩かれるべきなのか

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『侍タイムスリッパー』公式Xで発信されていた「心配無用ノ介 天下御免」の宣伝ビジュアル(画像:『侍タイムスリッパー』公式Xより)
  • 城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー
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おそらく、そうした風潮が加速したのは、ハリウッドの映画プロデューサーが、長年にわたる性暴力を行っていたと告発する「#MeToo」運動が活発化した2017年以降だろう。日本国内でも、人気監督や俳優の性加害疑惑が報じられ、大きな注目をあびた。一連のフジテレビ問題も、この流れにあるのは間違いない。

“常識とのズレ”が批判を生むのは、疑惑の当事者だけではない。先の映画監督のケースでは、彼が手がけた作品の主題歌にもバッシングが相次いだ結果、「NHK紅白歌合戦」での歌唱曲が変更されるまでの事案に発展した。このように、“そのニオイ”が残るものは、なるべく忌避したいという視聴者感情は、年々増している。

7000円「プロの現場への入場料」なら妥当では

さて「心配無用ノ介」に話を戻すと、ギョーカイと世間のズレは感じるものの、法的に何か問題のある事案ではない。性加害事案のように、明確な“被害者”がいるわけでもなく、ただ単に「金を払えばオレの映画に出してやる」とも受け取れる、上から目線に対して批判が噴出したのだと考えられる。

だとすれば、ここまで批判されるべき事案なのだろうか。「やりがい搾取」かどうかは、エキストラの判断にすぎない。実費を上回る貴重な体験として、参加に価値を見いだす人がいれば、それで利害は一致する。

はっきり言ってしまえば、本人たちが納得しているのなら、外野がとやかく言うのはどうなのか。もちろん、これが「よくわからない運営者による、高額なスクール受講料」であれば話は別だ。

しかし今回は、わずか7000円で作品の世界観に飛び込めるうえ、大手のテレビ局や配給会社、音楽会社がバックに付いているため、胡散臭さも薄い。「大手ならカネ出してやれよ」という批判もごもっともだが、「プロの世界に足を踏み入れる対価」として考えると、妥当ではないかと感じるのだ。

エキストラ募集のビジュアルも。こちらにも、「無料エキストラさん募集(実費七千円必要)」と書かれている(画像:安田淳一監督Xより)

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【そもそも「エキストラ」は臨時雇いの俳優を指す言葉】

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