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"無償エキストラ募集"で炎上「侍タイムスリッパー」安田淳一監督、「1人7000円自腹」はそこまで叩かれるべきなのか

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『侍タイムスリッパー』公式Xで発信されていた「心配無用ノ介 天下御免」の宣伝ビジュアル(画像:『侍タイムスリッパー』公式Xより)
  • 城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー
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一方、擁護する声も存在する。太秦映画村では観光客向けに、時代劇扮装サービスが提供されている。公式サイトによると、衣装とかつらを着用し、1時間以内の映画村内散策が付いたプランは8700円(入場料別)。それより安価かつ、人気監督から演出を受けられ、クレジット表記もされるとなれば、「十分安い」といった印象を持つ人もいるようだ。

詳細な募集要項も掲載されていた(画像:安田淳一監督Xより)

そもそも本作品は、どのようなものなのか。「心配無用ノ介 天下御免」は、2024年公開の映画『侍タイムスリッパー』のスピンオフ作品にあたる。この映画は、ドラマと同じく安田監督が手がけたもので、ブルーリボン賞作品賞(24年度)や、日本アカデミー賞・最優秀作品賞(25年)などを受賞している。

しかしながら、当初から順風満帆な作品ではなかった。安田監督みずから私財を投じ、わずか1館での上映から、全国的なヒットになったという背景もあり、そのストーリーも含めてのファンは少なくないようだ。

そして、その映画内で“劇中テレビ時代劇”として描かれたのが、「心配無用ノ介」を主役にした架空のドラマだった。それをスピンオフとして、実際の連続ドラマ(全6話)として放送するのが、今回の試みだ。製作委員会にはBS-TBS、ギャガ、東映太秦映画村、未来映画社(安田監督のレーベル)、ユニバーサルミュージックと、エンタメ界の有名企業が集っている。

「心配無用ノ介 天下御免」は、2024年公開の映画『侍タイムスリッパー』のスピンオフ作品だ(画像:『侍タイムスリッパー』公式Xより)

発信者と世間の"認識のズレ"が炎上の燃料に

そんな注目作品が、なぜバッシングを浴びたのか。ネットメディア編集者として、これまであらゆる炎上案件を見てきた筆者の経験からすると、いわゆる「やりがい搾取」を感じさせるものは、SNS上で炎上しやすい傾向がある。

ここで重要なのは、発信者(今回であれば安田監督)と、多くのネットユーザーの認識に、どれだけズレがあるかだ。その差が広がれば広がるほど、外から見た時の“非常識さ”は際立ち、燃えやすくなる。

今回のケースでは、その背景に、「エンタメ界というムラ社会の常識と、世間の常識には大きなギャップがある」という、一般的なイメージがあるのではないか。ここ数年で、力関係による性的・金銭的な不均衡が、しばしば問題視されてきた。

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【上から目線に対して批判が噴出した】

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