②目尻のシワが語る「本物の感情」
人間の笑顔は2種類ある。口角だけが上がる「社交的な笑顔(作り笑い)」と、口角に加えて目の周囲の眼輪筋も動く「本物の笑顔」だ。
後者は19世紀フランスの神経学者、ギヨーム・デュシェンヌ氏の名をとって「デュシェンヌ・スマイル」と呼ばれる。
眼輪筋は意図的にコントロールしにくい筋肉のため、デュシェンヌ・スマイルは「感情が本物である」ことのシグナルとして脳に受け取られる。笑うたびに目尻に深いシワが刻まれる内村光良の笑顔は、このデュシェンヌ・スマイルの典型だ。
脳の報酬系は、本物の笑顔に対して「安心・親近感」という報酬反応を自動的に引き起こす。謝罪会見で精一杯つくった笑顔が視聴者に「嘘くさい」と感じられるのも、作り笑いがデュシェンヌ・スマイルでないことを脳が見抜くからだ。
内村の笑顔はその逆だ。画面越しに届く「本物の感情」のシグナルが、視聴者の脳に直接、安心感を届ける。
加えて、今年7月に62歳を迎える内村の顔に深く刻まれた目尻のシワは、「笑いの痕跡」でもある。長年笑い続けてきた結果として刻まれたシワは、「この人はよく笑ってきた人だ」という情報を、見る者の脳に無意識に伝える。
25年間の笑顔の蓄積が、炎上した番組を救う
③人を「5倍引き寄せる」笑顔
笑顔が人を引き寄せる力は、数値でも実証されている。
社会心理学者のニコラ・ゲーゲン氏の実験では、笑顔でアイコンタクトをとった場合の「近寄り率」が22%、真顔の場合が4%と、約5倍の差が生じることが示された(※3)。
笑顔は「この人物は敵ではない、味方だ」という原始的なシグナルを脳に直接届ける。テレビ画面越しであっても、このメカニズムは変わらない。内村光良がスタジオで見せる笑顔は、視聴者の脳に「安心できる人物がいる番組」という印象を、繰り返し刷り込んでいく。
次ページが続きます:
【内村光良の「決定的な強み」】
