脳はまず「顔」で判断し、「言葉」はその後についてくる。
謝罪の言葉がどれほど丁寧であっても、それを語る人物の顔が「信頼できない」と脳に判断されれば、言葉は脳に届く前にはじかれてしまう。
さらにトドロフ氏らの別の研究では、顔から受ける「有能さ」の印象だけで、米国上院議員選挙の結果の68.8%が予測できたことが示されている(※2)。顔は、言葉や実績を超えた影響力を持つ。
だとすれば、信頼を失った番組が真に信頼を取り戻すためには、視聴者の脳に「信頼できる顔」を刷り込むことが不可欠だ。
日テレは、意識的か無意識かはわからないが、この局面でついに「顔」という切り札を切った。その顔が、「内村光良」だったのである。
「内村光良の顔」が信頼できる3つの理由
では、内村光良の顔のどこが「信頼を取り戻す切り札」になりうるのか。3つの根拠がある。
①顔の構造が0.1秒で伝える「信頼性次元」
トドロフ氏は、人が初対面の顔に対して抱く印象は、「信頼性」と「支配性」という2つのパターンがあると指摘した(※1)。
「信頼できる」と判断される顔には共通の特徴がある。
柔らかい目元、穏やかな顔の輪郭、怒りや威圧を感じさせないプロポーション。これらが「信頼性」がプラス方向に働く要素だ。
内村光良の顔は、まさにこの特徴を備えている。丸みを帯びたパーツ、威圧感のない目尻の下がった目元、そして顔全体から「攻撃性」を感じさせない。初めてその顔を見る視聴者の脳でさえ、0.1秒で「脅威ではない、安全な人物」と自動判断するだろう。
もちろん、内村のこれまでの実績や好感度も影響するだろうが、視聴者が、「誰も異論を唱えないベストキャスティング」と直感した背景には、まずこの脳の自動処理が働いていたと言える。
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【人間の笑顔は2種類ある】
