息子が自力でトイレや食事ができるようになり、退院が近づくと、高おじさんはふらっといなくなることが増えた。聞けば、病室を回って「介護士お探しの人はいますか〜」と飛び込み営業をしているという。
隣のベッドの高齢患者は、妻と2人の子どもが交代で世話をしていた。その様子を見ながらAさんが、「子どもが複数いると、こういうときは心強いわね」とつぶやいていた。一人っ子の国ならではの感想だなあ。
病室は3人部屋だが、それぞれの介護者がいるので合わせて6人ほどが常時滞在している。介護する人のベッドが廊下にもずらりと並んでいた。
救急車も入院も前払い!「医療費のリアル」
さて、動けない息子に代わって親がやらないといけないのは、クレカ保険のサポートデスクも「よくわからないが、誰かが一部を支払っている」と話していた医療費の整理だ。
息子の荷物を確認すると、病院が発行した領収書がごそっと出てきた。合算すると約7000元(約14万円)。息子は何の説明も受けておらず、Aさんも心当たりがないという。見舞いに来た息子の同級生に尋ねて、彼らが払っていたことが判明した。
中国の医療費は救急車も含めて前払いが基本。入院するにも保証金を納めないといけない。息子がけがをしたとき、そばにいた学生たちはお金を払って救急車を呼び、検査費用も立て替えていた。
その後、入院にあたって日本円換算で10万円以上の保証金を求められた。学生たちの手持ちでは足りず、知り合いの社会人に借金して費用を工面したという。
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