担当者は「ご家族が現地に行くなら、交通費や滞在費は200万円まで補償されます。行かれてはいかがですか」とも教えてくれた。筆者が滞在していたエジプトから中国に行き、日本に帰るといったケースでも認められるとのことだった。
電話口の担当者の優しさに不安が少し和らいだ。その後、病院の近くに住んでいる中国人の知人Aさんにも連絡し、息子の様子を見に行ってほしいとお願いした。
Aさんは10年以上前に仕事を受注していた会社の経営者。ここ数年はすっかりご無沙汰で、頼るのを躊躇していたが、勇気を出してメッセージを送った。
同級生たちが24時間介護していた
その翌日から翌々日にかけて、クレカの保険デスクと、Aさんから一気に情報が入ってきた。
<ケガの程度>
頭蓋骨骨折。脳出血(後に硬膜外血腫と判明)。鼻骨骨折。搬送後しばらくは元気があったが、2回目のCTで脳出血が確認され、緊急手術となった。頭を打った場合、こういう急変はしばしばあるらしい。
<医療費>
現時点で請求が3万元(約60万円)を超えている。中国の傷害保険への加入が確認できたので、支払いが一時的に猶予されているようだ。現在7000元が支払われている。誰が払ったのかはわからない。
<介護士>
大学職員から介護士を雇うよう求められた件については、Aさんが説明してくれた。
日本人には想像もつかないが、中国の病院の看護師は点滴交換や採血など医療行為のみを行い、食事の手配やトイレの介助など身の回りの世話は、自分たちでやらなければならないという。
中国では当たり前のことで(逆に中国人が日本で入院すると、看護師が何でもやってくれることに驚くという)、家族が泊まり込みで対応したり、24時間付き添ってくれる介護士を雇う。介護士費用は5年前は1日300元前後だったが、コロナ禍で高騰したという。
Aさんが息子の病室を訪ねたとき、男子学生2人が付き添っていた。中国人4人にバングラデシュ人留学生を加えた5人でシフトを組み、24時間体制で世話をしていたそうだ。
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【病院で再開した息子は…】
