東京近郊、千葉県市川市に引きこもりの若者たちが共同生活を送る寮がある。4月時点で10人弱が生活しているが、間もなく退去の期限が迫る。運営するNPO法人(特定非営利活動法人)ニュースタート事務局が、今年3月末で32年間にわたる活動を終了したからだ。
ニュースタートは国内外で複数の寮を運営してきたが、ピーク時には約100人が入居していた。全員が引きこもりの若者であり、親が月22万円程度の寮費を負担する。原則、寮生活中の親との連絡は禁止、寮を飛び出して実家に戻っても親は中に入れない約束となっている。
こうした“荒療治”を含む様々なアプローチで、32年間で1700人以上の若者を自立まで導いてきた。
寮生は平均約1年半で退寮していく。8割程度が自立を果たすが、病気や障害などを抱える場合、障害者就労や生活保護に引き継がれることもある。元の生活に戻ってしまうケースも若干あったという。
書籍化、ドラマ化で脚光
引きこもり脱却支援のパイオニアとして一部で知られていたニュースタートの知名度が一気に高まるきっかけとなったのが「レンタルお姉さん」の存在だった。
ニュースタートでは引きこもり家庭に、レンタルお姉さん・お兄さんと呼ぶ訪問員を送り、子どもとの対話や外出などを通して交流を深めていく活動を行っていた。2000年代に急増して社会問題化した「ニート(無職の若者)」を支援する存在として、書籍化やドラマ化されて多くの関心を集めた。
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【「引き出し屋」のトラブル急増】
