日本で引きこもり状態にある人は増える一方だ。厚労省の調査によると22年時点で推計146万人、内訳は15~39歳が約61万人、40~64歳が約85万人だった。生産年齢人口において50人に1人に相当する。
年齢によって脱却支援の難易度も異なるようだ。
若者層の自立支援を手がけるNPO法人育て上げネットでは、通信制高校などとも連携し、中退や進路未決定で卒業する可能性のある生徒を支援している。
「10年前は20代後半から30代の就労支援が多かったが、今は学校と協力して10代や20代前半の若者が早い段階で社会とつながれる活動に注力している。企業にとって若者は”レアメタル”のような希少財となり、非常に多くの企業から(採用したいとの)相談がある」(育て上げネットの工藤啓理事長)という。
「8050問題」の現実
一方で、増える高年齢層の支援拡大は急務となっている。
厚労省では、無業・未就学の人に相談や職場体験などを提供する「地域若者サポートステーション」を全都道府県で委託運営している。当初は15~39歳が対象だったが、20年から49歳まで対象年齢が引き上げられた。
就職氷河期世代の支援が目的だが、「20年以上も引きこもりっぱなしの人を、企業が受け入れるケースは少数」(二神氏)であり、高年齢の自立支援はより難しい。そのため、育て上げネットの工藤氏は「若いうちに社会とつなぐ必要がある」と、早期支援の重要性を指摘する。
親が80歳、子供が50歳の引きこもり家庭が経済的・精神的な困窮状態に陥る「8050問題」が社会課題となって久しい。子の就労を諦めた親が少しでも多くの老後資金を残そうとすることも多いが、それだけでは限界がある。親の死後は生活保護などにつながるよう、社会との接点を維持することが大切になる。
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【時代の変化とのズレが拡大】
