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国民的RPG「ドラクエ」の堀井雄二氏がGoogleとタッグ、ゲーム業界が求める"AIでの改革"とは

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講演中の堀井氏
Google Cloud Next 2026で講演する堀井雄二氏(写真:筆者撮影)
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スクウェア・エニックス内部では、さまざまな形でAIのゲーム応用が検討されている。23年には、堀井雄二氏がドラゴンクエストの前に開発してヒットしたアドベンチャーゲームである「ポートピア連続殺人事件」をベースにした作品も作っている。事前に設定された中から行動を選ぶのではなく、文章として命令を与えて展開していく形のゲームだ。当時はAIの能力とゲーム内容が噛み合わず、あまり良い評価は得られていない。

「『ポートピア連続殺人事件』の時に比べると、理解力がまったく違います。今のAIはちゃんと言葉を理解できるので、『ポートピア』も今作ると、また違ったものになると思います。文字で返答が出るのもいいですが、やはり、喋りながら答えてくれるのは大きいですね。こちらが問いかけるのにしても、喋る方が楽ですし、それに答えてくれるのは嬉しいと思います」

その上で堀井氏は、ゲームを切り口に、AIとの対話がより幅広いものになることを期待している。

「ChatGPTなどに悩みを話す人もいますが、(スラミィについても)感情に寄り添って悩みを聞いてくれるなど、ゲームを離れた話もできるのは素晴らしいと思います。できるだけ、AIのキャラクターがサブになって一緒に遊ぶような使い方を考えてみたいですし、そうすると、他のシリーズへの広がりも生まれるでしょう。AIキャラクターが初心者向けに遊び方を教える入り口になり、ゲームを離れても『友達なんだ』と思えるようになると考えています」

Googleと共同開発、Geminiを全面活用

前述のように「おしゃべりスラミィ」は、Google Cloudとの密接な連携によって開発されている。Google Cloudとしても、文字でコミュニケーションをするチャットボットではなく、音声や画像と組み合わせ、人間とリアルタイムな対話を行うAIに、新しい市場が存在すると考えているのは間違いない。

「おしゃべりスラミィ」と同時にデモされたのが、Citibankが試作した「Citi Sky」というサービスだ。これは、Gemini Liveの最新機能として開発が進んでいる「ライブアバター」を使ったもの。AIが対話するキャラクターの姿を自動生成し、リアルな映像とともに音声で対話する。人間によるサポートデスクを補完するもの、と考えていいだろう。

「おしゃべりスラミィ」同様、Gemini Liveで動作するCitibankの「Citi Sky」(写真:筆者撮影)

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【AI活用は「アーティストの代わり」という誤解】

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