まずは直近の相場から振り返ってみよう。
3月30日(月)には7142ポイントだったフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は、翌日から先週4月24日(金)の1万0513ポイントまでなんと18連騰となり、しかもそのうち8日からは13日連続で史上最高値更新という驚愕の展開だ。これは、1994年のSOX指数創設以来初のことで、影響の大きいナスダック総合指数や日経平均株価を押し上げている。
天まで届く木はない
確かに、半導体産業はAI需要を軸に成長が加速し、データセンター向け高性能チップが市場を牽引する構図が今後も続き、AIの進化が半導体の価値をさらに押し上げるだろう。しかし、株式相場の格言では、どんなに有望な事象でも「天まで届く木はない」と言われる。
AIブームで需要は拡大する一方、供給網の逼迫やエネルギー不足、地政学リスク、輸出規制が成長のボトルネックとなる可能性がある。特に先端半導体製造には膨大な電力と高度人材が必要で、AI向け投資の急増がこれらの不足を深刻化させる懸念もある。
また、米中対立や関税政策の強化により、AI関連チップの流通が制限され、産業全体の成長を抑制するリスクも指摘されている。台湾・韓国など特定地域への依存が構造的リスクとも言える。とりわけ台湾は先端ロジックの90%以上を供給しており、地政学リスクは即座に供給停止につながる。
さらに、中国のタングステン輸出規制により価格が急騰し、AI向け半導体の製造コストと供給の安定性を直撃している。根本的なところでは、AI半導体エコシステムが、AI半導体自身の需要を小さくすることにもなりかねない。
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【24日の後場では「嫌な動き」】
