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昨年末時点では2026年の日本株市場について、高市早苗政権が長期政権になることを前提に、マイルドなインフレによる企業業績の回復、衆議院解散、成長戦略、コーポレートガバナンス・コード改訂、TOPIX(東証株価指数)改革、海外投資家の日本株投資加速、旺盛な自己株買い、フィジカルAIブームの恩恵などを背景に、堅調な推移を予想していた。特に「衆院解散は買い」と考えていたが、この見立ては年初から前倒しで実現した。
年初早々に衆院解散が決断され、与党が大勝を収めたことで、市場は高市政権の長期安定化を一気に織り込んだ。日経平均株価は選挙日までに5万4253円へ急上昇。選挙後は成長戦略への期待と海外投資家による買いを背景に、イラン戦争開始直前には5万8850円の高値をつけた。ここまでは、昨年末に描いていた強気シナリオが、むしろ想定以上のスピードで進んでいた。
しかし、2月末にイラン戦争が勃発したことで相場環境は大きく変化した。中東エネルギーに依存するアジア諸国の株式市場は全面安となり、日本株も3月31日の日中には一時5万0558円まで急落した。
日本企業にとって単なる地政学リスクではなく、原油、LNG(液化天然ガス)、ナフサ、アルミニウム、化学品などのコスト上昇と供給制約が企業業績を下押しする可能性がある。これが26年後半の日本株を考えるうえで、業績面の最大の不安材料である。
4月に入ると世界的に株価は反発し、日経平均は4月23日に一時6万円に到達した。米ハイテク株主導の恐るべき買い戻しが日本株にも波及した格好だ。27日には終値でも6万円を上回った。
ただし、ここから6万5000円を目指すには、期待だけでは足りない。現在の日本株は、PER(株価収益率)などバリュエーション面ではすでにかなり先行している。バランスもよくない。TOPIXに含まれる1650社の52%が、依然として年初来パフォーマンスがマイナスという状況なのだ。したがって今後は、企業業績がイラン戦争によるコスト上昇や供給制約を吸収し、増益基調を維持できるかどうかが重要になる。
単なる“過熱”ではない
もっとも日本株のバリュエーション切り上げ自体は、単なる過熱ではない。基本的には日本経済と市場の構造変化を反映したものと考えるべきだ。
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