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アップル15年ぶりCEO交代の真意、エンジニア主導で変わるものと変わらない成長モデルの核心

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ジョン・ターナス氏
アップルの新CEOに就任が決まった、同社ハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント(現)のジョン・ターナス氏(写真:Adam Gray/Bloomberg)
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エンジニア出身のCEOは、97年までCEOだった第5代CEOのギル・アメリオ氏以来、実に30年ぶりのこと。スティーブ・ジョブス氏の第2期(97年)以降のアップルはそれ以前と大きく異なる会社でもあるので、「今のアップルになって初めてのエンジニアCEO」という言い方もできる。

天才が生み出した「超量産企業」

ただ、このことはクック氏の業績を貶めるものではない。むしろ「ものづくりへの関与と経営」という観点で言えば、サプライチェーンの専門家であるクック氏がもたらしたものと功績は、計り知れないほど巨大だ。

アップル製品は質感やデザインが優れていることで人気がある。よりスペックの高い製品を売るライバルもいるが、アップル製品は「より多くの人が、質も性能も高い製品を手にできる」ことを軸に作られた製品が多い。先日発売された「MacBook Neo」はその典型であり、iPhoneも質感とコスト、使い勝手のバランスが優れている。

こうしたことが実現できているのは、「コストをかけて部材調達と製造のプロセスを作り、そのプロセスで大量の製品を作って販売する」という手法がうまくいっているからだ。

そして利益率を維持できているのも、「野放図に製品数を増やさない」というポリシーに基づく。今のアップルは多数の製品ラインナップを持っているように見えるが、一般的なPCメーカーや家電メーカーに比べれば製品点数は文字通り桁違いに少ない。企業規模を考えるとありえないほどだ。商品点数の少なさは利益率の高さに直結する。

そして、販路もアップルストアが強い。

このビジネスモデルは、98年発売の「iMac」を源流とするもので、まさに、「スティーブ・ジョブズ氏復帰後のアップル」を象徴するものだ。

クック氏はその路線を支え、自身がCEOになった後には、さらに拡大した。iPhoneがここまで巨大な存在になったのも、大量に生産して世界中に供給することを前提に作っているからだ。イメージセンサーやプロセッサーにしても、最先端のものを最優先で調達できるのは、アップルが大量に調達する前提でメーカーと交渉しているからだ。

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【「チーフ・ハードウェア・オフィサー(CHO)」にも注目】

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