タクシーに乗ると運転手との軽い会話を楽しむ人は少なくない。しかし、会話したうえにそのまま一緒にホテルに行き、交際をして結婚をしたケースは初めて聞いた。
オンラインでのインタビューに応じてくれたのは会社員の渋川茜さん(仮名、50歳)。現在の夫である茂之さん(仮名、48歳)の家は神奈川県にあるが、週に2回は元夫と子どもたちが住む東京都心の家に行って寝泊まりしているらしい。このインタビューも仕事帰りの路上および東京の家で対応している。
「子どもたちの様子を見たいし、週末は都内で人に会うことが多いのでこの家が便利なんです。今は大学生の娘がリビングにいるので、ベランダに出てお話ししています」
と言いながら、顔のあちこちをいじったりベランダの植物に水をあげたりする茜さん。そのたびにスマホ画面がグルグル回り、筆者の目まで回りそうになった。茜さんはやや落ち着きがなく、人の目はあまり気にしない性格のようだ。画面越しにときどき見える姿も華やかというかカジュアル。会社帰りにはとても見えない。
違和感はあったが、こんなものかと…
「もともとはすごく地味でした。私がこんな感じになったのは40歳を過ぎてからです。それまでは遊ぶことが楽しいとは思えず、とにかく堅実な会社員と結婚して子どもがいる家庭が欲しいと思っていました」
大学卒業後に入社した古い業態の会社に今でも勤務している茜さん。大学時代は女性ばかりの環境で、勤務先は中高年男性ばかり。出会いは期待できず外に出た。お見合いパーティーで知り合った3歳年上の勝則さん(仮名)と結婚したのが30歳のときだった。
「大卒で留学経験のある人なので価値観が合うと思ったんです。実際にはほとんどしゃべらない人で、会話らしい会話をしたことはありません。でも、私はそれまで男の人と付き合ったことがなかったので、こんなものだと思っていました」
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【暗雲が立ち込め始める】
