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北朝鮮の金正恩総書記とベラルーシのルカシェンコ大統領との首脳会談は歴史的転換になる可能性がある(上)

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(撮影:今井康一)
  • 佐藤 優 作家・元外務省主任分析官

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国際関係においては、後に振り返って「あれが転換点だった」と認識されるような出来事がある。そういう出来事について、外交官や国際政治学者は気づかないのが通例だが、インテリジェンス分析に従事する人にはピンとくる。最近の出来事では、2026年3月26日に平壌で行われたルカシェンコ・ベラルーシ大統領と金正恩・朝鮮労働党総書記(朝鮮民主主義人民共和国国務委員長)の首脳会談がそれに当たる。2回にわたって詳しく考察したい。

この記事を読まれた読者は1年くらい経って「確かにこういうことが起きると『週刊東洋経済』に書いてあったな」と思い返すことがあると思う。

この首脳会談に関しては、3月26日にベラルーシ大統領府報道局が詳細な発表を行った。日本のマスメディアでもロシアのマスメディアでもそれほど大きく取り上げられていないが、インテリジェンス分析の観点から極めて重要だ。

まずルカシェンコ氏は、ベラルーシと北朝鮮が戦争による崩壊から再建された国家であることを強調する。〈ベラルーシ共和国大統領アレクサンドル・ルカシェンコは3月26日、朝鮮民主主義人民共和国国務委員長金正恩と会談を行った。/ベラルーシ国家元首は、まず、朝鮮民主主義人民共和国訪問への招待および温かい歓迎に対して朝鮮の指導者に謝意を表し、とりわけこれが自身にとって初の朝鮮民主主義人民共和国訪問であることを強調した。大統領はまた、戦争行為の結果として著しく破壊され、ほぼ地上から消し去られた後に大規模な復興が行われたという点で、ミンスクと平壌のある種の歴史的類似性についても言及した。〉(26年3月26日、ベラルーシ大統領府HP、ロシア語より佐藤優訳)

佐藤優氏によるコラム。ビジネスパーソンに真の教養をお届け。【土曜日更新】

ベラルーシはナチス・ドイツ、北朝鮮はアメリカによって徹底的に破壊されたという事実を強調することで、「われわれはいずれも大国ではないが、大国の恣意的な戦争の犠牲者である」という認識を表明する。大国ロシアと、ベラルーシや北朝鮮のような中堅国の置かれた立場の違いを明確にしている。

ベラルーシと北朝鮮の過去の関係

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