オーストラリア政府は2026年4月18日、オーストラリア向け新型汎用フリゲートの最初の3隻を建造する契約を締結したと発表した。これは全11隻からなるオーストラリアの次期汎用フリゲート(GPF)プログラムの第1段階であり、日本にとって過去最大の防衛装備輸出案件となる。
オーストラリア政府は、GPF計画に今後10年間で最大200億豪ドル(約2兆2800億円)を投じる方針を示している。今回の案件は、「共同開発・生産」の名目にはなっているものの、「事実上の護衛艦輸出」であり、日本の防衛装備移転政策にとって大きな転機と位置づけられる。
日本の防衛装備移転政策の転機
三菱重工も4月18日、オーストラリア政府との間で「もがみ」型護衛艦の能力向上型3隻の建造契約を締結したと正式発表し、29年12月の1番艦納入に向け長崎造船所で建造を開始すると説明した。
時代を超えて大局的に重要なことは、このプロジェクトが日豪関係の性格そのものを変えつつある点である。これまで「準同盟」と評されてきた両国関係が巨額の防衛装備品の共同開発・生産という段階に踏み込んだことで、実態としてさらに軍事同盟に近い水準へと接近しつつある。中国の海洋進出が続く中、インド太平洋における抑止力強化の観点からも、この枠組みが持つ意味は小さくない。
ただし、この大型案件は、政治的な高揚感だけで語れるものではない。むしろ、計画が具体化するにつれ、3つの重大な課題が鮮明になってきている。
端的に言えば、①「ゼロ変更」アプローチのなし崩し的な変更、②膨張しつつあるコスト構造、③制度・産業・運用面での日豪双方の経験不足、の3点だ。成否を握るのは政治的スローガンではなく、厳格なプロジェクト統治能力だ。
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【契約の実態は?】
