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糖尿病でも「好きな外食」を優先…83歳女性の《食事制限より大切なこと》を支える訪問看護師が見た、"幸せな老後"の正解

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在宅看護
闘病や最期を、病院ではなく自宅で過ごすという選択。それを支える訪問看護師がいます(写真:kouta/PIXTA)
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物の管理に加えて、物忘れも激しくなってきている。

朝と晩の薬の飲み忘れや、リリーの訪問日や訪問時間を忘れて外出してしまうことが多くなった。どこにも出かけないで家にいるときは順調に薬を飲めるし、看護師の訪問も忘れないのだが、外出の予定が入ると頭の中はそこにまっしぐら。他のことが抜け落ちていく。

木村さんの訪問看護のポリシーは、利用者の社会生活を“縮めない”こと。

「在宅医療だからこそ、社会生活があるのは必然だし必要なことです。定期的に必要な医療ケアがある場合は別として、慢性疾患で病状が安定しているならば、お出かけや来客などの予定を優先してほしい。

特に認知症の方にとってお友だちとの交流は脳を活性化させると言われています。予定を立てるとき、その日は看護師が来る日だからダメだって思ってほしくないんです」

「老健施設への越冬入所」でやせて帰ってきたが…

Aさんが大好きなお出かけが、不在や服薬忘れの原因ならば、それを組み込んで対策を立てる。

木村さんは主治医と相談して薬は朝1回の処方に切り換えて、訪問回数を週1回から2回にした。週2回ならば、Aさんが薬を飲み忘れた日が続いても2日間で済む。それから訪問時間を今までの13時半から午前中の10時半に変更した。

「元々、Aさんは朝が弱いから訪問は午後からにしていたんですが、寝起きを狙うことにしました。まちがいなく家にいますから(笑)。訪問のキャンセルや夜間への振り替えが多い月は利用料が加算され、毎月の請求額が流動的でしたが、週2回の寝起き訪問にしたことで毎月の利用料も安定しました。年金の中から出しているお金なので、ずっと気になっていたんです」

目下の課題は、雪が降る12月~3月の暮らしである。道路は凍結し、暖房器具による火事も心配なため、Aさんは2年前から、この期間は町内の老健施設に越冬入所をしている。

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【施設から、あまりにやせて帰ってきたAさん】

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