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ライフ #井手隊長のラーメン見聞録

「道が使えなくて来られなかった」と客離れ…埼玉・八潮の超人気ラーメン店が「陥没事故」で受けたダメージと"次なる一手"

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2026年4月28日、埼玉県八潮市に新潟・妙高の老舗「食堂ミサ」がオープンする(写真:筆者撮影)
  • 井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン
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「雪ぐに」の登場や、YouTuberのHIKAKINの地元のソウルフードから生まれた「みそきん」など、妙高の味噌ラーメンは首都圏でもじわじわと広がりを見せている。そのタイミングでの「食堂ミサ」関東進出は、まさに特大ニュースと言っていい。しかも、それを担うのが異端の成功者である鶴岡さんだ。

「食堂ミサ」八潮店の味噌ラーメン(写真:筆者撮影)
(写真:筆者撮影)
(写真:筆者撮影)

一方で、当人は浮かれてはいない。

「正直、めちゃくちゃきついです。プレッシャーもあるし、自分のラーメンじゃないものを作るのは本当に難しい」

レシピも体系化されておらず、再現は困難。それでも、これまでの29年間の経験を総動員し、「再構築」という形でミサの味を表現しようとしている。

そしてこの挑戦は、単なる業態転換ではない。鶴岡さんにとっては、ラーメンとの向き合い方を根本から問い直すプロジェクトでもある。

「もう、がんじがらめのラーメンから解放されたいんですよ」

「生活の中に自然にあるラーメン」の価値

SNS、レビュー、点数競争。現代のラーメン業界は、過剰な評価経済の中にある。その中で疲弊し、「ラーメンが嫌いになりかけていた」とまで語る。だからこそミサのような、「生活の中に自然にあるラーメン」に可能性を見出した。

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「パッと食べて、パッと帰る。それでいいじゃないですか」

特別ではなく、日常であること。その価値に気づいたとき、鶴岡さんの中で何かが大きく変わった。

今回の挑戦が成功すれば、関東におけるミサの展開、さらには地方ラーメンの再評価にもつながる可能性がある。本人も将来的にはプロデュース業へ軸足を移し、「悩んでいる飲食店の受け皿になりたい」と語る。

激動の一年を経て辿り着いた、新たなスタート地点。それは、一人の職人が29年かけて辿り着いた「ラーメンの再定義」であり、同時に、これからの飲食業のあり方を問い直す実験でもある。

ラーメンとは何か。店とは何か。人生とは何か。その問いに対する一つの答えが、4月28日、八潮の地に現れる。

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