東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資

日経平均株価が「5万9600円」を一時突破、強気相場は続くのか? ベテラン市場ウォッチャーに聞く今後の投資戦略

7分で読める
日経平均株価は4月16日に年初来高値を更新した(写真:梅谷秀司)

INDEX

4月16日、日経平均株価は前日比1384円高の5万9518円で取り引きを終え、2月27日に記録した終値の過去最高値5万8850円を約1カ月半ぶりに更新した。国内相場はこのまま上昇気流に乗るのか、それとも「5月相場」「夏枯れ」のリスクが潜んでいるのか。ベテランの市場ウォッチャーであるストックボイス顧問の岩本秀雄氏に、今後の市場見通しと投資ポイントを聞いた。
※本記事は「会社四季報オンライン」でも配信しています

油断できない「ダブルトップ」のリスク

──日経平均株価は4月16日に年初来高値を更新しました。足元の動きをどう見ていますか。

4月上旬の日経平均株価は、より深刻な調整局面に入ってもおかしくない状況だったが、中旬から非常に強い動きで切り返した。最高値を更新するまでの展開に突入するとは想定もしていなかったが、この強さは米イラン戦争の停戦期待はともかく、米国株、特にIT・AI関連銘柄の動向に影響された日経平均独自の歩みと考えてよいのではないだろうか。

裾野がより広い株価指数であるTOPIX(東証株価指数)を見ると、2月最高値から3月安値にかけての押し幅の3分の2戻し水準で穏やかな推移となっている。そのため、TOPIXと日経平均の価格対比によるNT倍率は、3月末の14.6倍をボトムに16日には15.6倍まで急上昇している。これは昨年10月31日の15.7倍以来の水準だ。当時はそこが上昇のピークで、その後2カ月間、日経平均は高値調整に入った経緯がある。その後、TOPIXが最高値を更新した後、日経平均は翌26年初から上放れとなっていった。

日経平均だけの動きを見ると、フシとなる6万円乗せを達成しないと収まらないような雰囲気だが、そもそもTOPIXを置いてきぼりにしたままの最高値更新相場というのはあり得ない。この先、上昇相場の持続性はTOPIXの復調がカギを握っていると見ていい。

──高値を更新しても、この先にはリスクが残っていると?

TOPIXの追随高がないようだと、全体相場にとって非常に望ましくない「ダブルトップ(二つの山を形成して下落する形状)」を形成するリスクを内包している。

AI・半導体関連は相場の先端部分を形成するグループではあるが、それだけで相場が形成されているわけではない。裾野を形成する銘柄にまで人気が波及することにより、上昇相場の基調は強くなっていくのである。ここ数日の動きを見ても、AI関連銘柄の中には高値波乱のような足取りが垣間見える銘柄も現れており、投資家の視線が少しずつ変化しているようにも感じられる。

さらに、ファンダメンタルズの観点からも注意点がある。米国株は米イラン戦争の停戦を織り込んだような動きだが、WTI原油が90ドル前後の水準で大崩れしない状況には警戒すべきだろう。

エネルギーを輸入に頼る日本経済は、アメリカ以上に物価高の影響を強く受ける。市場が原油市況の高止まりや石油化学製品などの供給制約による影響が夏場にかけて顕在化することを意識し始めれば、株価の戻りは限定的となり、結果として(下降トレンドへの転換を示す)ダブルトップを補完するという弱気シナリオも考えておかなければならないかもしれない。

次ページが続きます:
【3月期決算の相場影響】

2/3 PAGES
3/3 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象